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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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第319話「朝の決断」

朝。


蒼月残存区域。


風が吹いていた。


外壁布が揺れる。


雪煙が流れる。


補修班が動く。


いつもの朝。


だが。


悠真は昨夜の四人の話し合いを引きずっていた。


均衡者として動かなければならない。


その確信は固まった。


だが。


どう動くか。


それがまだ見えない。


悠真は外壁へ上がる。


北を見る。


影。


今日もいる。


昨日より近い。


気のせいではない。


白峰蓮が横に来る。


記録紙を持っている。


「昨夜から変化あり」


静かな声。


「深部反応が上がった」


短く。


「初めてだ」


悠真が止まる。


三か月間。


深部反応は圧縮されるだけだった。


上がったことはなかった。


玲奈が目を閉じる。


長い沈黙。


風が吹く。


そして。


「……動いた」


小さい声。


「中から」


誰も返事をしなかった。


待っていた何かが。


動き始めていた。


(次話へ)

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