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第311話「朝の違和感」
朝。
蒼月残存区域。
風が吹いていた。
外壁布が揺れる。
雪煙が流れる。
補修班が動く。
配給班も準備を始める。
子どもたちは水を運ぶ。
いつも通り。
そう見えた。
だが。
観測班だけは落ち着かなかった。
その時。
白峰 蓮が記録紙を見ている。
何度も。
同じ場所を見る。
悠真が横へ来る。
「変化か」
短く。
蓮は頷く。
「変化がない」
静かな声。
悠真が少し止まる。
蓮は続けた。
「反応は集まってる」
短く。
「でも動きがない」
沈黙。
それが気持ち悪かった。
増えるなら分かる。
減るなら分かる。
だが。
今は違う。
集まり続けている。
なのに。
何も起きない。
その時。
玲奈が目を閉じる。
長い沈黙。
そして。
「……待ってる」
小さい声。
皆が見る。
玲奈は北を見たまま。
「何か」
短く。
風が吹く。
誰も返事をしなかった。
その言葉が。
妙に嫌だった。
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