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第310話「夜の笑い声」
夜。
配給区画。
灯り。
白い。
温かいスープ。
湯気。
人々が集まっていた。
補修班。
見張り班。
避難民。
子どもたち。
皆。
今日もここにいる。
その時。
老人が昔話をしていた。
若い頃。
大雪で車を埋めた話。
道を間違えた話。
何度目か分からない話。
それでも。
子どもたちは笑う。
毎回笑う。
補修班も少し笑う。
老人も嬉しそうだった。
その光景を。
美月が見ていた。
少しだけ安心する。
こういう時間がある。
だから。
まだ大丈夫だと思える。
その時。
遠く。
カァン。
鐘。
一回。
長い音。
皆が少し止まる。
だが。
誰も立ち上がらない。
誰も騒がない。
聞く。
受け止める。
そして。
また食事へ戻る。
生活へ戻る。
生きることへ戻る。
外では。
影が近づいている。
侵食も集まっている。
だが。
灯りもある。
笑い声もある。
北海道は。
今日も静かに続いていた。
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