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第301話「観測記録の空白」
午後。
外壁上。
観測班。
双眼鏡。
記録紙。
風。
白い息。
北。
影。
今日もいる。
その時。
白峰 蓮が過去記録を並べていた。
一か月分。
二か月分。
三か月分。
積み上がる紙。
数字。
反応。
侵食。
全てが書かれている。
その中で。
一つだけ。
違和感があった。
蓮が眉を寄せる。
悠真が見る。
「どうした」
短く。
蓮は記録紙を指差す。
「ここ」
小さい声。
過去の侵食増加曲線。
今の増加曲線。
似ていない。
本来なら。
もっと広がる。
もっと溢れる。
だが。
今回は違う。
集まる。
沈む。
圧縮される。
そんな動きだった。
玲奈が目を閉じる。
長い沈黙。
そして。
小さく言う。
「……来るためじゃない」
皆が見る。
玲奈は続ける。
「集まるため」
短い声。
意味は分からない。
だが。
その言葉だけが。
妙に記憶に残った。
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