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第298話「残る灯り」
夜。
配給区画。
白い灯り。
温かいスープ。
人々が集まっている。
補修班。
見張り班。
避難民。
子どもたち。
皆。
少し疲れていた。
だが。
笑顔も残っていた。
その時。
老人が子どもへ昔話をしていた。
大雪の日。
停電の日。
若い頃の失敗談。
子どもたちは笑う。
驚く。
質問する。
老人も笑う。
その光景を。
恒一が見ていた。
静かな時間。
その時。
遠く。
カァン。
鐘。
一回。
長い音。
皆。
少しだけ止まる。
だが。
すぐ戻る。
食べる。
話す。
生きる。
恒一は灯りを見回した。
補修班がいる。
ぴーちゃんがいる。
美月がいる。
子どもたちがいる。
悠真もいる。
影は近づいている。
だが。
こちらにも積み上げてきたものがある。
恒一は小さく呟く。
「まだ終わらん」
静かな声。
誰も聞いていない。
だが。
その言葉は正しかった。
北海道は。
まだ続いていた。
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