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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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第297話「観測班の違和感」

午後。


外壁上。


観測班。


双眼鏡。


風。


白い息。


北。


全員が見ていた。


影。


今日もいる。


ゆっくり。


こちらへ向かっている。


だが。


その時だった。


雪那が眉を寄せる。


「変だな」


小さい声。


悠真が見る。


「何がだ」


短く。


雪那は少し考える。


そして北を見る。


「近づいてるのに」


静かな声。


「侵食反応の増え方がおかしい」


沈黙。


白峰 蓮が記録紙を確認する。


過去記録。


現在記録。


比較する。


そして。


少しだけ眉を寄せた。


確かに変だった。


増えている。


だが。


予測より少ない。


玲奈も目を閉じる。


長い沈黙。


やがて。


小さく言う。


「……集まってる」


皆が見る。


玲奈は続ける。


「広がってない」


短く。


その言葉。


悠真は北を見る。


今まで。


侵食は広がるものだった。


だが。


もし集まっているなら。


話が変わる。


風が吹く。


誰も喋らない。


観測班の記録に。


新しい疑問が増えた。


(次話へ)


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