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第285話「雪原の変化」
午後。
外壁上。
観測班。
双眼鏡。
風。
白い息。
全員が北を見ていた。
その時。
雪那が息を止める。
「また動いた」
小さい声。
皆が見る。
影。
遠い。
だが。
確実に近い。
昨日より。
さらに。
悠真が双眼鏡を握る。
影は歩いている。
ゆっくり。
だが。
止まらない。
その時。
雪面が揺れる。
今までで一番大きい。
長い。
広い。
まるで。
地下全体が呼吸しているようだった。
白峰 蓮が記録紙へ書き込む。
「移動継続」
短く。
「速度変化なし」
続ける。
だが。
問題は速度ではなかった。
止まらないこと。
それだった。
玲奈が目を閉じる。
長い沈黙。
そして。
「……見てる」
小さい声。
「ずっと」
誰も返事をしない。
風だけが吹く。
北の影は。
今日もこちらを見ていた。
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