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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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第270話「祖父の言葉」

夜。


拠点区画。


灯り。


静か。


外では風が鳴っている。


悠真は資料を見ていた。


観測記録。


反応変化。


影。


どれも良い内容ではない。


その時。


祖父。


黒崎恒一が入ってくる。


椅子へ座る。


しばらく何も言わない。


静かな時間。


やがて。


祖父が口を開く。


「怖いか」


短く。


悠真は少し考える。


そして頷く。


嘘はつかない。


祖父は少し笑う。


「それでいい」


静かな声。


悠真が見る。


祖父は続ける。


「怖くなくなったら終わりだ」


短く。


「守るもの忘れる」


部屋が静かになる。


外。


風が鳴る。


祖父は立ち上がる。


「怖いなら見ろ」


静かな声。


「見続けろ」


短く。


「それがお前の役目だ」


そう言って出て行く。


悠真は一人残る。


外を見る。


北。


見えない。


でも。


確かにいる。


その何かを見ながら。


悠真は静かに息を吐いた。


長い夜は。


まだ続いていた。


(次話へ)


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