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第145話 「再構築防衛線」

群馬拠点。


朝。


まだ空は暗い。


だが。


拠点の中は動いていた。


誰も止まっていない。


木材。


鉄材。


運ばれていく。


補強。


修理。


拡張。


全部同時だった。


「そっち押さえろ!」


蓮斗の声が飛ぶ。


汗だくになりながら、壁材を持ち上げていた。


戦闘だけじゃない。


今は。


“作る戦い”だ。


その時。


桐谷 恒一郎が地図を見る。


「……ここ薄いな」


防衛線。


まだ穴がある。


侵入を前提にしていなかった構造。


今は全部組み直している。


その時。


03が横から言う。


「通路を狭めろ」


短く。


「数を通すな」


その言葉。


全員が理解する。


複数戦。


さらに群れ。


広い場所は危険。


その時。


白峰 蓮が頷く。


「……流しやすくなる」


理論側。


すぐ理解する。


その横で。


悠真が資材を運んでいた。


以前より無理をしていない。


ちゃんと周囲を使っている。


その時。


美月が言う。


「食料、整理終わった」


小さく。


だが。


重要だった。


避難民。


戦闘班。


子ども。


消費量が違う。


全部管理が必要。


その時。


ぴーちゃんが箱を見ながら言う。


「薬……少ない」


回復役だからこそ分かる。


足りない。


もし北海道級が来れば。


絶対に不足する。


その時。


玲奈が外を見る。


「……空気変」


静かに。


全員が少し止まる。


玲奈は続ける。


「人が怖がる前の感じ」


その言葉。


重かった。


つまり。


まだ何も起きていない。


だが。


“来る”。


その予感。


その時。


通信が鳴る。


神城側。


03が出る。


数秒聞いた後。


短く言う。


「……来るぞ」


空気が変わる。


全員が止まる。


悠真が聞く。


「どこだ」


03が答える。


「まだ不明」


「だが近い」


短く。


その言葉。


十分だった。


その時。


外で子どもの泣き声が聞こえる。


避難民。


不安が広がっている。


その瞬間。


黒崎 恒一が言う。


「慌てるな」


低い声。


だが。


強い。


「崩れる時は、先に内側から崩れる」


その言葉。


全員が少し落ち着く。


その時。


悠真が外を見る。


群馬はまだ平和だ。


だが。


静かすぎる。


その時。


白峰 蓮が言う。


「……北海道型なら」


「群れで来る」


短く。


その一言。


全員が防衛線を見る。


今までの敵じゃない。


数。


侵食。


圧殺。


耐えられるか分からない。


その時。


蓮斗が壁を叩く。


「耐えるしかねぇだろ」


短く。


だが。


以前みたいな勢いだけじゃない。


ちゃんと理解している。


準備が必要だと。


その時。


03が初めて少しだけ頷く。


「……悪くない」


小さい評価。


だが。


重い。


その瞬間。


外の空気が揺れる。


ほんの少し。


だが。


全員が気づく。


「……来た」


悠真が言う。


短く。


その時。


遠く。


地平線の向こう。


黒い揺れが見えた。


一つじゃない。


大量。


群れ。


北海道で見たものに近い。


だが。


もっと小さい。


“先行個体”。


その理解。


全員が共有する。


そして。


群馬側で初めて。


本格的な防衛戦が始まろうとしていた。


(次話へ)


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