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第142話 「群馬への報告」

群馬拠点。


空気は静かだった。


だが。


重い。


通信機の前に、全員が集まっている。


北海道。


蒼月区域。


そこから送られてきた映像。


ノイズだらけ。


だが。


十分だった。


「……なんだこれ」


蓮斗が呟く。


声が低い。


無理もない。


映像の中では、人が消えていた。


戦っていない。


潰されてもいない。


ただ。


“抜け落ちる”。


そして。


最後に映った。


巨大な影。


人型。


だが。


輪郭が崩れている。


その姿を見た瞬間。


拠点の空気が変わった。


「……未分類じゃないな」


白峰 蓮が言う。


短く。


断定。


その時。


悠真が聞く。


「別種か」


白峰 蓮が頷く。


「動きが違う」


「構造も違う」


「群れそのものを統制してる可能性が高い」


その一言。


重い。


今までの敵とは違う。


単体。


複数。


そういう段階じゃない。


“軍勢”。


その時。


ぴーちゃんが小さく言う。


「……嫌な感じする」


不安そうに。


その言葉。


誰も否定しない。


その時。


通信がまた入る。


神城側。


03だった。


『映像は確認した』


短い声。


その時。


悠真が聞く。


「知ってるのか」


少しの沈黙。


そして。


03が答える。


『……見たことはある』


空気が止まる。


その一言。


重い。


蓮斗がすぐに聞く。


「倒せるのか?」


直球だった。


だが。


03はすぐ答えない。


数秒。


沈黙。


そして。


『……条件次第だ』


その返答。


全員が理解する。


簡単じゃない。


その時。


白峰 蓮が聞く。


「分類は?」


03が短く答える。


『……まだ名前はない』


『だが、近い』


「魔王に」


その一言。


空気が凍る。


ぴーちゃんが小さく震える。


「……まだじゃないの?」


その問い。


03が答える。


『完成前だ』


『だから危険だ』


短く。


意味が分からない。


だが。


直感だけは伝わる。


完成したら終わる。


その時。


黒崎 恒一が言う。


「……進行型か」


低い声。


03が肯定する。


『侵食型』


『地域ごと変質させる』


その言葉。


全員が北海道の映像を見る。


街が消え。


人が消え。


空間そのものが変わっていた。


あれは。


戦場じゃない。


“変質”だ。


その時。


悠真が小さく言う。


「……止めるしかないな」


短く。


だが。


迷いはない。


その時。


03が初めて少しだけ声を変える。


『焦るな』


全員が止まる。


『今のお前らでは死ぬ』


その言葉。


冷たい。


だが。


事実。


蓮斗が舌打ちする。


「……じゃあ見てろってか」


その時。


03が答える。


『違う』


短く。


『準備しろ』


『次は局地戦じゃない』


その一言。


全員が理解する。


ここから先。


戦いの規模が変わる。


群馬だけじゃない。


北海道。


東京。


九州。


全部。


繋がる。


その時。


玲奈が初めて口を開く。


「……飲み込まれてる」


静かに。


全員が見る。


玲奈は映像を見たまま言う。


「街じゃない」


「感情ごと消えてる」


その言葉。


重かった。


白峰 蓮も否定しない。


その時。


悠真が外を見る。


群馬はまだ静かだ。


だが。


分かる。


遠くで。


確実に。


何かが進んでいる。


その時。


03が最後に言う。


『時間がない』


通信が切れる。


静寂。


誰もすぐには動けなかった。


その時。


黒崎 恒一が言う。


「整えるぞ」


短く。


だが。


強い。


その一言で。


全員が動き始める。


まだ勝てない。


だが。


止まるわけにもいかない。


世界はもう。


次の段階へ進み始めていた。


(次話へ)


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