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第134話 「世界が動く」

東京。



 地下施設。



 モニターの光だけがある。



 無機質な空間。



 だが。



 空気が違う。



「……報告」



 声が響く。



 淡々と。



「対象エリア」



「未分類個体、複数消失」



 一瞬。



 室内が止まる。



 誰も言葉を出さない。



「……repeat」



 確認が入る。



「……confirmed」



 断定。



 三体。



 同時に。



 消えた。



 その意味。



 重い。



「……対応したのか」



 小さく。



 誰かが言う。



 信じられない。



 だが。



 現実。



 その時。



 足音。



 静かに。



 だが。



 確実に。



 全員が振り向く。



 そこに。



 神代 綾人。



 立っている。



 無言で。



 画面を見る。



 歪みのログ。



 消失データ。



 それを。



 じっと。



 見ている。



「……どう思われますか」



 慎重な声。



 その時。



 神代が言う。



「……想定内だ」



 短く。



 だが。



 前回と違う。



 少しだけ。



 “温度”がある。



「……人間が対応した」



「それだけだ」



 淡々と。



 だが。



 評価している。



 その時。



 別のモニター。



 波形が揺れる。



 新しい反応。



「……増加確認」



 誰かが言う。



 その瞬間。



 空気が変わる。



「……どのくらいだ」



 神代が聞く。



 短く。



「……不明」



 答え。



 曖昧。



 だが。



 危険。



「……全域に拡散の兆候」



 その一言。



 重い。



 局所じゃない。



 広がる。



 その時。



 神代が言う。



「……段階が変わったな」



 短く。



 断定。



 その言葉。



 全員が理解する。



 今までとは違う。



 その時。



 別の者が言う。



「……対処は?」



 問い。



 その時。



 神代が答える。



「……準備しろ」



 短く。



 命令。



「観測では足りない」



 その一言。



 重い。



 その意味。



 明確。



 その時。



 神代が続ける。



「……投入する」



 一瞬。



 空気が凍る。



 “投入”。



 つまり。



 人を出す。



 直接。



 その時。



 誰かが言う。



「……対象は?」



 その時。



 神代が答える。



「三つだ」



 短く。



 そのまま。



「未分類個体」



「拠点の人間」



「九条」



 その三つ。



 並べる。



 同列に。



 その意味。



 重い。



 その時。



 神代が小さく言う。



「……面白い」



 ほんの少し。



 笑う。



 初めてじゃない。



 だが。



 明確。



 これは。



 観測じゃない。



 “介入”。



 その始まり。



 その時。



 画面にノイズ。



 一瞬だけ。



 別の波形。



 異質。



 その場の誰かが言う。



「……これ……」



 だが。



 神代が止める。



「……いい」



 短く。



 そのまま。



 画面を見る。



 何も言わない。



 だが。



 分かっている。



 それが何か。



 その時。



 小さく呟く。



「……動いているな」



 誰のことかは言わない。



 だが。



 全員が理解する。



 もう一つの存在。



 九条。



 そして。



 それ以外。



 その全てが。



 同時に。



 動いている。



 その時。



 神代が最後に言う。



「始めるぞ」



 短く。



 だが。



 決定的。



 その瞬間。



 世界は。



 次の段階へ進む。



 観測は終わった。


 ここからは。


 “介入の戦い”が始まる。



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