第130話 「複数出現」
外。
静か。
だが。
“違う”。
前と同じじゃない。
「……来る」
悠真が言う。
短く。
その瞬間。
空間が歪む。
一つじゃない。
二つ。
三つ。
同時に。
「……多いな」
蓮斗が言う。
低く。
だが。
冷静。
その時。
「ぴー……全部反応ある」
ぴーちゃんが言う。
震えている。
その意味。
重い。
全部。
同じ。
あの存在。
「……来るぞ」
白峰 蓮が言う。
その瞬間。
同時出現。
三体。
中央に。
だが。
位置が違う。
ズレている。
重なっている。
「……散開!」
悠真が言う。
即座に。
全員が動く。
配置変更。
中央を広げる。
だが。
前回の戦術。
そのままでは。
足りない。
「……一つ押さえる!」
蓮斗が言う。
一体に集中。
壁を動かす。
誘導。
中央へ。
成功。
だが。
その瞬間。
別の一体が動く。
位置変動。
背後へ。
「っ!!」
白峰 蓮が反応。
だが。
ギリギリ。
触れられる。
一瞬。
その瞬間。
感覚がズレる。
視界が揺れる。
「……くそっ!」
後退する。
完全じゃない。
だが。
削られる。
「ぴー!」
回復。
かける。
だが。
追いつかない。
その時。
三体目が動く。
位置変動。
中央。
だが。
予測できない。
動きがバラバラ。
「……読み切れねぇ!」
蓮斗が叫ぶ。
その通り。
一体なら読める。
だが。
三体。
無理。
その時。
一体が消える。
別の位置に出る。
また一体が動く。
連動していない。
完全に。
“別行動”。
「……連携してないな」
白峰 蓮が言う。
分析。
その時。
「でもそれが厄介だ」
悠真が言う。
短く。
その通り。
統一されていない。
だから。
予測できない。
その時。
一体が近づく。
距離ゼロ。
悠真へ。
「……っ!」
回避。
ギリギリ。
触れない。
だが。
別の一体。
背後。
同時に。
来る。
「……まずい!」
蓮斗が叫ぶ。
割り込む。
だが。
間に合わない。
触れる。
二箇所。
同時に。
その瞬間。
悠真の体が止まる。
完全に。
「……っ!!」
動けない。
その時。
黒崎 恒一が動く。
一瞬で。
割り込む。
押し飛ばす。
距離を取る。
強制的に。
干渉を切る。
「……下がれ」
短く。
だが。
強い。
全員が理解する。
無理。
今は。
勝てない。
その時。
悠真が言う。
「……撤退」
即断。
全員が動く。
後退。
距離を取る。
その時。
三体が止まる。
追ってこない。
ただ。
そこにいる。
観ている。
その視線。
変わらない。
そして。
ゆっくりと消える。
歪みの中へ。
静寂。
誰も動かない。
その時。
蓮斗が言う。
「……無理ゲーじゃねぇか」
正直に。
その時。
白峰 蓮が言う。
「……フェーズが変わったな」
短く。
だが。
確実に。
一体攻略。
意味はある。
だが。
それで終わりじゃない。
“次の段階”。
その時。
悠真が小さく言う。
「……数で来るか」
短く。
理解する。
単体戦。
終わり。
ここからは。
“複数戦”。
その現実。
重い。
その時。
黒崎 恒一が言う。
「いい」
短く。
だが。
強い。
「積み直せ」
その一言。
全員が動く。
もう一度。
内政。
戦術。
全部。
組み直す。
その時。
悠真が外を見る。
何もない。
だが。
確実に。
増えている。
その感覚。
消えない。
その時。
小さく言う。
「……まだ増えるな」
短く。
その言葉。
重い。
その瞬間。
全員が理解する。
これは。
終わりじゃない。
始まり。
さらに。
厳しくなる。
その未来。
確定する。
敵は、一体ではなかった。
そして。
戦いは、次の段階へ進んだ。




