第125話 「再接触(新異変)」
外。
静か。
だが。
“来る”。
全員が分かっている。
「……来るぞ」
悠真が言う。
短く。
その瞬間。
空間が歪む。
前回と同じ。
だが。
少し違う。
歪みが広い。
揺れが強い。
「……範囲広がってる」
白峰 蓮が言う。
即座に分析。
その時。
“出る”。
あの存在。
輪郭が揺れる。
だが。
前より。
“はっきりしている”。
「……来い」
蓮斗が言う。
構える。
だが。
前回と違う。
焦りはない。
対策はある。
「右、来る!」
白峰 蓮が言う。
歪み。
移動予兆。
その瞬間。
悠真が回避。
ギリギリ。
触れない。
「……読める!」
蓮斗が踏み込む。
反撃。
一撃。
だが。
すり抜ける。
存在がズレる。
「……っ!」
白峰 蓮が止まる。
予測が追いつかない。
その時。
それが動く。
一瞬で。
位置が変わる。
今度は。
二箇所。
「……は?」
蓮斗が言う。
分裂。
いや。
違う。
“重なっている”。
二つの位置に。
同時にいる。
「……まずい!」
白峰 蓮が言う。
その瞬間。
片方が消える。
もう片方が動く。
距離ゼロ。
悠真の背後。
「っ!!」
反応する。
だが。
遅い。
触れられる。
肩。
一瞬。
その瞬間。
体が止まる。
完全に。
「……くそっ!」
蓮斗が飛び込む。
割り込む。
だが。
間に合わない。
悠真が弾かれる。
地面を滑る。
動けない。
「ぴー!!」
回復。
かける。
だが。
遅い。
完全には戻らない。
「……違うな」
白峰 恒一が言う。
静かに。
だが。
断定。
「強くなっている」
その一言。
全員が理解する。
学習。
進化。
対応してきている。
その時。
それが止まる。
全員を見る。
観察している。
そして。
少しだけ。
近づく。
圧。
前回より強い。
「……無理だ」
悠真が言う。
まだ動けない。
その時。
黒崎 恒一が言う。
「下がれ」
短く。
全員が動く。
即座に。
撤退。
無理はしない。
その時。
それが追わない。
止まる。
そして。
消える。
歪みの中へ。
静寂。
誰も動かない。
その時。
蓮斗が言う。
「……無理ゲーだろこれ」
正直に。
その時。
白峰 蓮が言う。
「……現状ではな」
短く。
だが。
否定しない。
その時。
悠真が言う。
「……一回戻る」
短く。
その判断。
正しい。
今は勝てない。
その理解。
全員が共有する。
再接触は失敗した。
それは。
“まだ足りない”という答えだった。




