第123話 「対処法構築」
拠点。
空気は落ち着いている。
だが。
誰も気を抜いていない。
新しい存在。
あれは。
まだ何も終わっていない証拠。
「……整理する」
白峰 蓮が言う。
前に出る。
全員の視線が集まる。
「敵は四つの特性を持つ」
指を立てる。
「一つ」
「位置変動型」
「移動ではない」
「“座標が変わる”」
全員が頷く。
あの違和感。
間違いない。
「二つ」
「接触干渉」
「ダメージではない」
「状態を書き換える」
悠真の腕。
まだ完全じゃない。
それが証拠。
「三つ」
「回復無効」
「少なくともぴーの回復は通らない」
ぴーちゃんが小さく頷く。
「……ごめん」
「……いい」
悠真がすぐ言う。
問題はそこじゃない。
「四つ」
「行動制限あり」
「範囲から出ない」
ここ。
一番重要。
その時。
白峰 蓮が言う。
「……つまり」
「完全な無敵ではない」
全員が理解する。
穴はある。
まだ。
小さいが。
確実に。
「……で、どうする?」
蓮斗が言う。
腕を回す。
まだ違和感がある。
その時。
悠真が言う。
「……触らせない」
短く。
シンプル。
だが。
核心。
「距離維持か」
白峰 蓮が言う。
頷く。
だが。
「……無理だな」
即答。
その通り。
位置変動。
逃げられない。
その時。
「……読む」
悠真が言う。
短く。
その時。
「歪みの予兆」
「それを基準にする」
全員が理解する。
完全じゃない。
だが。
見える。
わずかに。
「……反応勝負か」
蓮斗が言う。
笑う。
「嫌いじゃねぇ」
その時。
白峰 恒一が言う。
「もう一つある」
全員が見る。
「範囲だ」
短く。
だが。
重要。
「出てこない」
「つまり」
「そこが安全圏だ」
全員が理解する。
絶対じゃない。
だが。
基準になる。
「……じゃあ誘導できるな」
悠真が言う。
その時。
白峰 蓮が頷く。
「可能性はある」
つまり。
重殻と同じ。
“位置を操作する”。
その時。
ぴーちゃんが言う。
「……ぴーは離れるね」
少し寂しそうに。
「近いと危ない」
正しい判断。
その時。
悠真が言う。
「……頼む」
短く。
信頼。
その時。
黒崎 恒一が言う。
「いいか」
全員を見る。
「理解しようとするな」
繰り返す。
「勝つために動け」
その言葉。
全員が受け取る。
その時。
悠真が小さく言う。
「……対処はできる」
短く。
だが。
確実に。
未知。
だが。
無理じゃない。
その段階へ。
進む。
理解できなくても、対処はできる。
それが。
次の戦いの答えだった。




