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第115話 「決着」

 止まらない。



 止めない。



 九条の気配。



 背中にある。



 だが。



 見るな。



 迷うな。



「……終わらせる」



 悠真が言う。



 短く。



 全てを乗せる。



 一歩。



 踏み込む。



 重殻。



 目の前。



 揺れている。



 確実に。



 崩れている。



「ぴー!!今!!」



 ぴーちゃんが叫ぶ。



 回復。



 全開。



 体が軽くなる。



 限界を超える。



「……いけぇぇ!!」



 蓮斗が叫ぶ。



 一撃。



 叩き込む。



 重殻。



 大きく揺れる。



 亀裂。



 走る。



「……続けろ!!」



 白峰 蓮が言う。



 冷静に。



 だが。



 熱を持っている。



 隙を作る。



 動きを止める。



 連携。



 崩れない。



 その瞬間。



 侵食体が迫る。



 一気に。



 流れ込む。



 回収。



 ギリギリ。



 だが。



 間に合わない。



「……今しかねぇ!!」



 悠真が叫ぶ。



 全てを込める。



 一撃。



 重殻の中心へ。



 叩き込む。



 音。



 違う。



 今までと。



 違う。



 割れる音。



 内部が。



 崩れる。



「……通った」



 小さく。



 だが。



 確実に。



 その瞬間。



 重殻が崩れる。



 大きく。



 体勢を失う。



 そして。



 崩壊。



 地面へ。



 完全に。



 動きを止める。



 静寂。



 一瞬。



 全てが止まる。



「……倒した」



 蓮斗が言う。



 信じられないように。



 だが。



 確かに。



 終わった。



 その時。



 侵食体が止まる。



 流れが。



 途切れる。



 重殻が。



 起点だった。



 それが消えた。



 結果。



 崩れる。



 侵食。



 弱まる。



「ぴー……止まってる……」



 ぴーちゃんが言う。



 小さく。



 だが。



 確かに。



 その時。



 全員が息を吐く。



 緊張が抜ける。



 だが。



 その瞬間。



 ――背後。



 気配。



 まだ。



 いる。



 九条。



 見ている。



 その存在。



 消えていない。



 その時。



 悠真が振り向く。



 誰もいない。



 だが。



 分かる。



 いる。



 その時。



 小さく。



 声。



「……及第点だな」



 どこからでもない。



 だが。



 確実に。



 聞こえる。



 九条の声。



 その瞬間。



 気配が消える。



 完全に。



 何も残さず。



 静寂。



 その時。



 蓮斗が言う。



「……なんなんだよ、あいつ」



 誰も答えない。



 答えられない。



 その時。



 白峰 蓮が言う。



「……別枠だ」



 短く。



 だが。



 正確に。



 その通りだった。



 魔王でもない。



 モンスターでもない。



 “別”。



 その理解。



 重い。



 その時。



 悠真が外を見る。



 侵食体。



 弱まっている。



 完全ではない。



 だが。



 止まり始めている。



 その事実。



 大きい。



 その時。



 悠真が小さく言う。



「……勝ったな」



 短く。



 だが。



 確かに。



 全員が頷く。



 完全じゃない。



 だが。



 勝った。



 その実感。



 少しずつ。



 広がる。



 その時。



 黒崎 恒一が言う。



「いい戦いだ」



 短く。



 だが。



 重みがある。



 その一言。



 全員が受け取る。



 この戦い。



 意味があった。



 その証明。



 その時。



 風が吹く。



 静かに。



 だが。



 確実に。



 空気が変わる。



 終わり。



 ではない。



 次の始まり。



 その予感。



 全員が感じている。



 戦いは終わった。


 だが。


 物語は、ここからさらに動き出す。



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