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第110話 「引きずり出す瞬間」

 外周。



 空気が張り詰めている。



 誰も喋らない。



 分かっている。



 ここが。



 勝負所。



「……いくぞ」



 悠真が言う。



 短く。



 全員が動く。



 同時に。



 侵食体が反応する。



 だが。



 遅れる。



 分断された流れ。



 完全には戻らない。



「……今だ!」



 蓮斗が叫ぶ。



 壁を追加する。



 流れをさらに曲げる。



 侵食体。



 偏る。



 一方向へ。



 その結果。



 空白ができる。



 “抜け道”。



「ぴー!そこ薄い!」



 ぴーちゃんが叫ぶ。



 回復範囲。



 問題なし。



 成立している。



 その時。



 悠真が踏み込む。



 一歩。



 二歩。



 境界。



 越える。



 そのまま。



 重殻へ。



「……来い」



 小さく言う。



 挑発。



 その瞬間。



 重殻が動く。



 ゆっくり。



 だが。



 確実に。



 前へ。



「……乗ったな」



 白峰 蓮が言う。



 確信。



 その時。



 侵食体が追う。



 だが。



 遅れる。



 流れが分断されている。



 追いつかない。



「……いける!」



 蓮斗が叫ぶ。



 重殻。



 さらに前へ。



 境界。



 ギリギリ。



 そして。



 一歩。



 踏み出す。



 完全に。



 “外”。



「……出た」



 悠真が言う。



 小さく。



 だが。



 確実に。



 その瞬間。



 空気が変わる。



 圧が。



 弱まる。



「……軽い!」



 蓮斗が言う。



 驚く。



 明らかに。



 違う。



 さっきまでの重さがない。



「……領域外だ」



 白峰 蓮が言う。



 確信。



 その時。



「ぴー!今なら効く!」



 ぴーちゃんが叫ぶ。



 その一言。



 全員が動く。



 悠真が踏み込む。



 全力。



 一撃。



 重殻へ。



 直撃。



 音が違う。



 今までと違う。



「……通った!」



 蓮斗が叫ぶ。



 確かに。



 手応え。



 ある。



 初めて。



 “効いた”。



 その時。



 重殻が揺れる。



 初めて。



 体勢が崩れる。



「……いけるぞ!」



 蓮斗が言う。



 興奮する。



 だが。



 その瞬間。



 侵食体が動く。



 速い。



 今までより。



 明らかに。



 無理やり。



 流れをまとめてくる。



「っ!?」



 白峰 蓮が言う。



「回収に来ている!」



 つまり。



 戻そうとしている。



 重殻を。



 元の領域へ。



「……させるかよ!」



 蓮斗が叫ぶ。



 壁を追加する。



 流れを止める。



 だが。



 限界。



 侵食体。



 押し切る。



 重殻の足元へ。



「……まずい!」



 悠真が言う。



 判断。



 即座に。



「……下がる!」



 全員が動く。



 無理はしない。



 後退。



 境界へ。



 その瞬間。



 重殻が戻る。



 侵食体に包まれる。



 そして。



 元の位置へ。



 完全に。



 戻る。



 静寂。



 少しの間。



 誰も喋らない。



 その時。



「……はぁ……」



 蓮斗が息を吐く。



「惜しかったな」



 だが。



 悔しさだけじゃない。



 その時。



 悠真が言う。



「……いや」



 全員が見る。



「十分だ」



 短く。



 だが。



 確信。



「外で通る」



「それが分かった」



 その事実。



 大きい。



 その時。



 ぴーちゃんが言う。



「……あとちょっと」



 小さく。



 だが。



 確かに。



 その一言。



 全員が頷く。



 次で。



 決める。



 その覚悟。



 固まる。



 その時。



 悠真が外を見る。



 重殻。



 あの個体。



 再び。



 こちらを見る。



 その視線。



 さっきとは違う。



 ほんの少しだけ。



 “警戒”。



 その変化。



 確実に。



 こちらが。



 届いた証。



 その瞬間。



 戦いは。



 次へ。



 引きずり出すことはできた。


 そして。


 次は、倒す番だ。



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