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第106話 「届かない一撃」

 外周。


 流れは、分断されている。


 侵食体。


 以前のような一体の流れじゃない。


 細かく。


 バラバラに。


 動いている。


「……やりやすいな」


 蓮斗が言う。


 構える。


 明らかに。


 今までより。


 余裕がある。


「……今ならいける」


 小さく笑う。


 その時。


 悠真が言う。


「……試すか」


 視線。


 奥。


 重殻。


 あの個体。


 境界ギリギリ。


 動かない。


 だが。


 圧は変わらない。


「……あれ叩くんだろ?」


 蓮斗が言う。


 当然の流れ。


 だが。


「……一回だけな」


 悠真が言う。


 無理はしない。


 確認。


 それだけ。


 その時。


「ぴー……」


 ぴーちゃんが言う。


「気をつけて……あれ強い……」


 全員が頷く。


 分かっている。


 そのまま。


 配置を取る。


 分散。


 距離維持。


 侵食体。


 遅れる。


 今なら。


 いける。


「……行くぞ」


 悠真が言う。


 踏み出す。


 一歩。


 境界へ。


 そして。


 越える。


 一瞬だけ。


 重殻の前へ。


「っ!」


 蓮斗が同時に動く。


 連携。


 一撃。


 重殻へ。


 直撃。


 だが。


「……は?」


 手応えがない。


 音だけ。


 重い。


 だが。


 効いていない。


「……硬すぎだろ!」


 蓮斗が言う。


 驚く。


 その時。


 重殻が動く。


 ゆっくりと。


 腕を振る。


 それだけ。


 だが。


 空気が歪む。


「っ!」


 悠真が弾かれる。


 距離を取る。


 ギリギリ。


 だが。


 重い。


 明らかに。


 格が違う。


「……一撃でこれかよ」


 蓮斗が言う。


 笑えない。


 その時。


 侵食体が動く。


 速い。


 今までより。


 明らかに。


「ぴー!戻って!」


 ぴーちゃんが叫ぶ。


 即座に後退。


 境界へ。


 ギリギリ。


 越える。


 その瞬間。


 侵食体が止まる。


 重殻も止まる。


 境界。


 そこが。


 限界。


「……はぁ……」


 蓮斗が息を吐く。


「無理だな」


 素直に言う。


 白峰 蓮も頷く。


「現状では突破不可」


 即断。


 その時。


 悠真が言う。


「……分かったな」


 全員が見る。


「届かない理由」


 短く。


 だが。


 核心。


「硬さじゃない」


「“場”だ」


 一瞬。


 沈黙。


 その時。


 白峰 蓮が理解する。


「……領域補正か」


 悠真が頷く。


「向こうの中では」


「強くなる」


 つまり。


 あの場所。


 敵の領域。


 そこでは。


 普通に戦えない。


「……だから効かねぇのか」


 蓮斗が言う。


 納得する。


 その時。


 ぴーちゃんが言う。


「……外に出せばいい」


 全員が見る。


「外なら……弱くなる」


 その一言。


 空気が変わる。


 可能性。


 見える。


 その時。


 悠真が言う。


「……引きずり出すか」


 短く。


 だが。


 確実に。


 次の方向。


 決まる。


 その時。


 奥。


 重殻。


 動かない。


 だが。


 こちらを見ている。


 まるで。


 “分かっている”かのように。


 その視線。


 重い。


 だが。


 逃げない。


 その時。


 悠真が小さく言う。


「……次だな」


 次の段階。


 条件二つ目。


 重殻突破。


 その方法。


 見えた。


 届かない一撃は、無駄じゃない。


 それは。


 次の答えを示していた。



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