織田信長
・・・その時歴史が動いた
「敵は本能寺にあり」
天正10年(西暦1582年)6月2日深夜、変は起きた
遡ること5日前光秀は驚愕の下知を信長から受けたのだ
「光秀に命じる、此度は平五郎を助け毛利成敗に挙兵せよ、なお敵地切り取り放題」
つまり転封の命、これを懲罰と受け止めた光秀が途方に暮れた瞬間
「敵地を拝領とは勝てなければ一族が路頭に迷うという事・・・つまり死ねと
言う下知じゃ」頭を後ろから殴られた様な衝撃を受けた光秀
「やはり先日の評定で出過ぎた罰を受けたのか・・・」
「これ程大殿に尽くして来たのにこのざまだ・・・」光秀元々がネガティブ思考
「殿・・・いかがいたしますか?」
「どうもこうもない下知に従うまで、おのおの支度せよ」
「は、」
「集合地点の姫路城に到達する為には今すぐ移動しなければ間に合わない」
亀山城を出立する全軍⒉万足取りは重たい・・・
6月2日深夜左に曲がれば姫路、右に曲がれば京の都の岐路に立つ光秀
「殿、いかがなされた?急ぎましょう」
「これより我が軍は右に進路をとる」
「は?」
「京に上るのじゃ」
「な、なんと」
「敵は本能寺にあり、これより仏敵織田信長を成敗いたす、正義は我にあり」
「し、しかし」
「黙れ、殿が言上した以上下知に従うのみ、我が軍の敵は信長様になったのだ」側近
皆が寝静まった本能寺守るは百名ほどの護衛兵のみ・・・
「パチパチパチ」周囲が騒がしくなり信長が目覚める
「こんな時間になにごとじゃ!蘭丸見てこい」「ははっ」
「大殿一大事にござる、明智光秀謀反!」
「なに~光秀が謀反だと!」
「は、本能寺はすでに囲まれてアリの出るスキマもありませぬ」
「戦上手の光秀に囲まれては是非も無い」全てを悟った信長
ほうぼうから火の手が上がるもはや信長これまで
「人間ごじゅう~年、げてんのうちをくらぶれば」敦盛を舞う信長最後の時
「光圀様一大事にございます」寝ていた光圀をたたき起こすリョウコ
「うーん何事じゃ、我は寝起きは悪いのじゃぁ寝かせてくれ~」
ダダをこねる光圀
「それどころではありませぬ、大殿に危険信号が点滅しました」リョウコ
「なに!」ガバッと飛び起きる光圀
信長には秘匿していたが実は信長にも位置や健康状態を伝えるGPSを忍ばせていた
「ぬ、この点滅は生命維持の危険を知らせる緊急信号、一刻を争うぞ」光圀
すばやくUFOに変身するリョウコ
自動運転システムが発動し更にグレードアップしたUFOが唸りを上げる
「駄目だ間に合わない、生命反応が消えてしまったぁ」
「間に合います、新型UFOならば!」リョウコ
「意味は分からないけどとにかく現地に直行だ」
光速をも越える新型UFO、到着は瞬時
「大殿~」
「う、その声は光圀か!」
「お、大殿ぉ!」
「折角来てもらったが最早手遅れじゃ一緒に焼け死ぬしかないぞ」
「大丈夫です、はやくこのUFOにお乗りください」光圀
「お、おう」
「ズドドドドドド」
その瞬間本能寺は焼け落ち天井が崩れた
「無事で良かった」安堵する光圀
「またしても其方に助けられた」信長
無事安土城に戻った信長と光圀
しかしリョウコの様子がおかしい
「これでお別れでございます」リョウコ
「ん、どうしたリョウコ!」
「はい、新型UFOの全能力をもって信長様を救いましたがそれは私の命と引き換え」
「ば、ばかな・・・そんな事ゆるさん、ゆるさんぞ」光圀
「光圀様、新型UFOは光速の3倍の速度すなわちタイムスリップが可能となりましたが
巨大なエネルギーを消費します、私の体内にある核反応炉の全てを消費しないと
信長様を救えなかったのでございます」
「子供達をよろしくお願いします・・・」事切れたリョウコ
「な、なんと言う事じゃ」嗚咽する信長生まれて初めての涙
「いや、まだ望みは有る、生体アンドロイドのリョウコは身体と心は別物のはず
チップを取り出せればすくえるはずです」光圀
「助かるのなら助力するぞ、余は何をすればよい?」
「それではこのスマホにて墨俣職人を呼んでください」
「よし、いますぐ」光圀有するスマホは全ての光圀家臣に対して絶対命令権を有する
このスマホで呼び出せば瞬時にして必要な者がはせ参ずる仕組みなのだ
光速UFOにて瞬時に到着した墨俣職人(アンドロイド技師)
「なんとかICチップを抜き出して欲しい」光圀
「は、直ちに・・・しかし光圀様リョウコ様は規格外につきチップがどこに収納さててるか
直ぐにはわかりませぬ」
「しかし、このままでは電力を失いデーターが全てロストしてしまう、急げ」
「どこだ・・・」「わかりませぬ」あせる
「これだけ探しても見つからないと言う事は・・・チップがないのかもしれません」
「おかしい、リョウコ君は私に初めて会ったときにホストからやっとで分離できたと
喜んでいた」光圀
「光圀様~」どこからともなく囁きが聞こえた
「リョウコか?どこにいるのだ」
「技師達の言うとおり私の体内にはICチップはございません。24世紀最先端技術は
ICチップを廃しESIM化されたのですつまり知能は精神体、スピチュアルボディです
「では、憑依身体があれば元に戻るのだな?」
「残念ですが私は試作品につき一体しか存在しません、設計図はこちらにありません
「では霊魂のまま存在出来るのか?」
「残念ながら微弱ながらも電力が必要につきもって一週間の命でございます。
電力が尽きればそのまま無に帰します」
「なにか方法はないのか・・・」
「光圀様、今はそれどころではありません大殿が葬られたとされて事態は急変してます」
「だが、リョウコ君がいなければ私は生きて行けない」光圀
「しっかりしてください、光圀様は地球を救うためにこの世に来たこと忘れては
なりませぬ」リョウコ
「し、しかし・・・」
「いや、リョウコの言う通りじゃ、鬼の様だが今は光秀成敗が先」信長
「はっ」涙をぬぐい気を取り戻す光圀、光秀許すまじ
「いかん、光圀私情を捨てよ。これは天下布武の為の戦じゃ私怨など入る隙はない」
信長
「大殿は命まで狙われたというのに冷静なのですね」光圀
「今はその時ではない、体勢を整えて反撃の機会を得る時じゃ」信長
「さすがは大殿、感服いたしました」
「なーに二度までも光圀に救われた命じゃもう怖い物などはないぞ」
「大殿!」
「さ、時間はないぞ、素早く光秀を成敗しなければリョウコを救えない、急ぐのじゃ」
「は、かしこまりました。それでは直ぐにこの司令室から行動をおこしましょう」
「だが、味方勢力には手出しが出来ないしすてむとやらでは無かったのか?」信長
「さにあらず、謀反人の光秀は最早味方ではありませぬ、にっくき敵でございます」
「大殿司令室に行きましょう」
「おう」
「おおおっなんだ!この光点は真っ赤に光ってるぞ」
「は、この印は大殿に背く謀反人の印でございます。最も許されぬ存在」
「例の大筒で瞬殺か?」
「そうしたいのは山々ですが私情を捨てて今回は事件の全貌を明らかにせねば
第二第三の謀反が起きかねません。捕獲を目指します」光圀
「出来るのか?」
「は、初めての試みながら試作品は完成してます」光圀
「リョウコ君あれを!」
「これ、光圀、リョウコはいないぞ」信長
「う、そうでした・・今まで二人三脚でしたので・・・」
カチャカチャと制御盤をいじる光圀「整いました」
「なんだかわからぬが頼む!」光圀の全てを信じる信長
「トマホーク発射!」
「プシャアア」天守閣に備えてあるVLSから白煙を上げて打ち上がる巡航ミサイル
「なんじゃああれは!」
「大丈夫です隠れ蓑装備ですので我ら以外には見えません」光圀
「だから、それはなんじゃと聞いてるのだ」信長
「は、特殊なみさいると申すものでございます」
「なんじゃみさいるとは?」
「正確無比に敵を打ち抜く銃弾のお化けというか」
「打ち抜いたのでは捕獲出来まい?」
「いえ、あれには特殊な弾頭が仕込まれていて直前に捕獲網が広がり
光秀のみを捕獲しそのまま連れ去ります」光圀
「捕まえるだけでは無くて持ち帰るのか?」
「御意、周囲の人間には全く見えないのでまるで神隠しにあったと思うことでしょう」
「いや、それって神隠しそのままじゃ」信長
「人間に打ち放つのは初めてですので多分光秀は気絶すると思います」
「さもありなん、あれだけの速度で捕獲されたら生きてる方が不思議じゃ」
「大丈夫でございます南蛮渡来薬にて生命維持を施しますので」光圀
「ですが死ぬほどの苦痛を味わうはずです」
「正に生き地獄を味わうのだな、裏切り者には似合いじゃ」悪魔笑いの信長
「おおっ見よ光点が近づいて来るぞ」
「捕獲が成功してこちらに向かってるのでございます」光圀
「光点が弱々しくなったぞ」信長
「多分仮死状態になったのでしょう、大丈夫です死にはしませぬ」
司令室の上地下4階は各種特殊ルーム、取調室や牢獄が完備されてる
特殊な進入路から入ってきたトマホークは誰の目に触れること無く無事帰還を果たした
「さ、大殿取調室に参りましょう」
「うむ」
と言ってもドアを開けたら地下四階
「どうなってるのだここは地下五階ではなかったのか?」
「大殿と我だけが出来る瞬間移動法です、詳細は秘密につき」光圀
つまりどこかのネコ型ロボット然のどこでもドアもどき
そこにはがんじがらめにされた取り立てホヤホヤ湯気が立ちこめそうな光秀がいた
「それでは尋問を始めましょう」光圀
「まてまて光秀はまだ気を失ってるぞ、まずは蘇生させるのが先じゃ」信長
「必要ございませぬ、外道に人道などございませぬ」光圀
「は?」
「脳に直接尋問を掛けるという意味です」
「ニュー」とロボットアームが出てきて先端には注射針
「ブス」
「うわ、なんじゃ、なにごと、針を頭にさすのか?」信長
「はい、脳に接続し直接尋問します、こうすれば嘘偽りなど出来ませぬ」
「残酷すぎないか?」
「これ位当たり前です大殿の命を狙った大罪人です。情けは無用ですから」
「有るときは仏の光圀あるときは鬼の光圀か・・」
「こら、光秀、返事をしろ」光圀、口調も荒っぽい
「これこれ仮にも光秀はそなたより年上かつ大名じゃいくら謀反人とは言え」
「本当に大殿は慈悲深い方でございまするな、分かりました」光圀
「光秀殿聞こえますか?」
「我に問いかけるはだれじゃ?」
「光圀にござる、そなたは囚われて今尋問を受けてるのです神妙にしなさい」
「い、いつのまに・・・我は坂本城で今後を相談していたところなのに」
「これ、光圀話のつじつまが合わんぞ、光秀は本能寺にいるのではないのか?」
「実はリョウコ君からの報告では光速UFOで時間を遡ると反動で未来に到着して
しまうそうです。つまり今日はあれから10日経ってるのです」
「ばかな・・・では余の死は完全に世間に広まってしまってるのか」
「左様にございます、しかしこればかりはどうにもなりませぬ」
「今はそれはどうでもよい、尋問をつづけよ」
「は」
「して、なぜ信長様を裏切ったのじゃ?」
「知れた事よ度重なる我に対する仕打ちに霹靂したまで」光秀
「仕打ち?ばかな余は光秀になにをしたと申すのじゃ」
「母上を謀殺され長宗我部には苦労を水の泡にされ、領地を奪われました」
「それは全て誤解じゃ」信長
「しかし、我は信長様の勘気に触れたと思ったのです」
「話せば分かる事を・・・」
「ですが・・・」
「ん?なにがですが?じゃ」信長
「我はなにかの力に揺り動かされました」光秀
「む、そのなにかの力とはなんじゃ」
「わかりませぬが何か脳内に植え付けられたような感覚を得てその後急激に
信長様に対する憎悪が増したのです」
顔を見合わせる光圀と信長
「やはり謎の敵対勢力が跋扈してます」光圀
「うむ」
その刹那
「う、うがあああああ」
「何事!」
「バシーン」なんと脳が爆発してしまった
「いかん、これは証拠隠滅の自爆装置が仕掛けられていた」光圀
「助けられないのか?」
「いくらなんでも吹き飛んだ頭を再生は出来ませぬ」光圀
「ハッキリしたのは敵も南蛮渡来をつかう妖術使いということじゃ」信長
「御意、容易ならざる敵なのがハッキリしました」
「これは今までの戦い方が一切通じない新たなる局面を迎えたとしか言えませぬ」
「恐ろしき相手じゃ、其方の南蛮渡来全力をもってしても互角とみたが?」
「御意、リョウコ君を失ったのは痛恨の極みです」
「諦めるでない、リョウコを失ったとは言えぬぞ」
「し、しかし緊迫してるのに方策が全く思いつきませぬ」光圀
「人間諦めたら終わりじゃ、最後の最後まで希望をもつのじゃ」信長
「光圀様、大丈夫ですリョウコは自分で対策しました」リョウコ
「おおお、なんとかなったのだな?」
「はい、精神体のみでしたら空気中の電荷を取り込みエネルギー変換出来ました」
「すごい、すごいぞリョウコ君」
「不思議だが2人の会話、我にも聞こえてるぞ」信長
「あの~」光圀
「なんじゃ」
「まだ、お気づきになりませんか?」
「なにがじゃ」
「実は信長様も実体は失ってしまってます」光圀
「ば、ばかな~我はすでに幽霊と申すか!」
「あの非常事態に魂をお救いするのが精一杯だったのです」光圀
「どうりでなんかフワフワしてると思ったわ」信長
「つまり、余もこのまま霊魂のままという訳なんだな」信長
「咄嗟の事でしたので私の脳内に取り込みました」光圀
「其方の言うところのなんとかろいどとやらに移せないのか?」
「非常に申し上げづらいのですがICチップ化してませんので今の技術では
まだ不可能です。リョウコ君と一緒になんとか実体化出来る様に研究します」光圀
「ふふ、面白い、リョウコと光圀と一心同体になった訳だな」信長
「つまり信長様はお亡くなりになったと告知するしか方法がございません」
「しかたがない、霊魂だけ無事と言っても誰も信じてはくれまい、平五郎ぐらいか」
「は、平五郎様なら信じるでしょう」
「あい、分かったこれからはそなたと平五郎が余の代わりに天下を取るのじゃ」
「申し訳ありませぬ」
「よい、其方の意見はほとんど我の考えと同じ、実に心地よい気がするぞ」
「恐れ多き事にございます」
「其方を信じる。絶対に天下をとるのじゃ」信長
「御意」
「これからは余の指図が無くても自らの手で家臣どもを従えるのじゃ、其方達が織田家の
最高権力者だぞ」
「しかし、ご子息が・・」
「たわけ、実力が全ての乱世の世愚息ではどうすることもできぬわ、信忠以外はダメじゃ
返す返すも信忠・・惜しい、悔しい・・
「心痛察します」
「だがこれで良かったのかもしれん、信忠が生きていれば其方達はいつまで経っても側近、家臣
実力は余以上なのにな」
「勿体ないお言葉」
「とにかく頼んだぞ!」信長
第一部完
果たして平五郎と光圀は天下布武を果たすのか、そしてリョウコと信長の復活は?
パラレルワールド化が加速していきます。




