妖狐のアジト
ベルは、裏カジノで大暴れしたのち、妖狐のアジトに潜入する。
そこで、ケリィとなのる、このアジトのボスに話しかけられた。
ベルは裏カジノに居た富豪共全員を殺し、裏カジノの奥に進む。
富豪の1人に聞いた情報によれば、裏カジノのバーカウンターの酒を置いてある棚が、どうやら隠し通路になっているらしい。
その情報を元に、棚を触っていると、1つの酒が棚に貼り付けてはった。
どうやらこの酒がスイッチらしい。
「これか…」
ベルは酒瓶をレバーのように引いた。
すると、棚がガコンと動き、奥へと続く通路が現れた。
ベルはその通路の奥へと進む。
「………何人か、人がいるな、それと魔獣も」
ベルは、歩きながら感覚を研ぎ澄まし、この地下アジトにいる人間と魔獣の数を調べていた。
それにしても、この地下アジトはかなりの大きさの地下空間だ。
この地下空間自体が土属性魔術により作られた空間みたいだ。
そのせいで、壁や床には魔力が感知できるので、何階層あるのかなどが、詳しくわかる。
魔力を感知しながら、ベルは奥へと進む。
同時刻
「う~む、この子厄介そうだね、私のお得意様たちも全員殺しちゃったし」
アジトの最奥で、水色の髪を持ち、明らかに体のサイズに合っていない白衣を着た少女が、壁に取り付けられた画面をじっと見ていた。
「………よし、ねえみんな、あの子と戦ってきて~」
「「「「は、はい!!」」」」
少女は後ろに控えていた自らの部下たちに命令し、ベルと戦わせに向かわせた。
「キシシ、これなら私のペットちゃんたちと、いっぱい遊んでくれるかも」
場面が戻り。
ベルは一階層おりると、突然盗賊団のメンバーたちが現れた。
現れたのは三人、長身の男とちびでデブの男、ババアの女だ。
「なんていうか、キャラ濃いね」
「なあ嬢ちゃん、勝てるわけねえんだ、諦めて捕まりな」長身の男が言った
「そうだぜ~、俺達に勝てるわけねえんだからな~」
「おとなしく捕まったらお姉さんが可愛がってあげるわよ~」
「キショ、ババアは趣味じゃないの」
「だ!誰がババアですって!?」
ババアはベルに襲い掛かろうとしてきたが、長身の男に止められた。
長身の男は懐からナイフを取り出しベルに向ける。
「最終警告だ、嬢ちゃん、今捕まれば、ほかの奴らに手を出さないようにも言うから、ひどい目には合わないぞ」
「ひどい目って?」
「へっへっへ!俺が教えてやろうか?」
「おい!やめろ!、相手はガキだ!!」
ベルは思う、長身の男は何故盗賊をしているのだろうか。
この男はベルを気にかけてくれている、たまに漫画などでヤクザが子供に優しくするなんて作品があるが、それはあくまでフィクション、いたとすればそれは良い奴だろう。
となれば、この男は…
「ねえ、長身のおじさんさ、人質でも取られてる?」
「なっ!?な、何故……だ?」
「だって、そこの2人は悪人だけど、おじさんは悪い人じゃなさそうだもん」
「おい…!あんなガキの言葉で、裏切んのか?」
「あんたの娘…どうなってもいいの?」
「ふ〜ん、娘を人質に取られてるんだ」
決めた、ベルは決心した。
この盗賊団を、滅ぼすと決めた。
人質、それも子供の人質は1番嫌いだからだ。
「助けたげる」
「「「は?」」」
3人がそう声を出した瞬間に、ベルは一瞬で近づき、チビとババアの首を、龍の爪で斬り落とした。
ベルが自分の龍の体を隠している方法は、存在系魔術の一つ、『身体改造』。
パウムスとの戦いで使ったが、今は龍の体を隠すことしかできなくなった。
ベルは一時的に人間の腕から龍の腕に変え、二人の首を斬り落としたのだ。
「な、え、は?なに…が…」
「ねえ、おじさん、奴隷印とか付けられてないよね」
「あ…あぁ…付けられて…ない…」
「そっか、なら良かった、それで?娘ちゃんは?」
「地下の4階層…だ…だが!お嬢ちゃん1人じゃ!」
「大丈夫、死なないから、娘ちゃんを助けるからね」
「あ……あぁ…頼む…」
「その前にさ、ここの階層とか教えてくれない?」
そうして、ベルは長身の男からこのアジトの階層などを聞き出し、先に進んだ。
感覚を研ぎ澄ますと、奥に行くにつれて魔獣の気配が濃くなっていく。
ホワイトサーペントやブラックサーペントから考えるに、ここのボスはおそらくは魔獣使い、A級まで従えるとなると、かなり厄介な敵となるだろう。
その頃、アジトの奥へと進むベルを、このアジトのボス、ケリィが見ていた。
「も~!アイツら雑魚!!ゴミくず~!!!しかも裏切られた~!!!」
「…ボス、気分を落ち着かせるお紅茶はいかがですか?」
「………飲む…ありがとハル」
「いえいえ、かわいいボス様の為ですから」
そんなやり取りがあったことなど、ベルは知らず。
ベルは十五人の盗賊と、小型のスモールバットとサンドウルフに囲まれた。
十五人の盗賊と、それぞれ二十匹のスモールバットとサンドウルフに飛びかかられたが、華麗に避け、龍の爪で喉を斬り倒すを繰り返しているうちに、全員が血を流しながら死んでいた。
「……龍の爪のせいで『鎌鼬』がいらなくなっちゃった」
その時、壁に取り付けられた魔石から声が聞こえてきた。
「も~~~~~!!!!!つまんない!!なんでペットちゃんたちを簡単に壊しちゃうの!?」
「……だれ」
「ボス様、先に自己紹介をしましょうね」
「はっ!そうだった、こほん、妖狐第一席、魔獣使いのケリィだよ!」
「……そう、よろしく」
「ねえー!そっちも名乗ってよ!」
「……ベル、A級冒険者のベル」
「えへへ、知ってる~、白ちゃんと黒ちゃんを壊した人だもん」
「こいつ……」
ベルは少し腹が立った、前世の妹みたいな言動をしてくるからである。
妹みたいな言動をとってくるせいで、少し許してしまうのもまた腹が立つ。
「まあいいや、ここはぶっ壊す」
「え~!ケリィのお家壊しちゃうの!?やだやだ~!」
ベルはうるさいガキの声を無視して先に進む。
その最中も、無視されてちょっと不機嫌になったケリィから話しかけられ続けていた。
「ねえねえ!聞いてよ~!!!」
「あ~~~!もう!うっさい!!!なに!」
「………あ~、考えてなかった」
「こいつ~~!!!!!!!!!っと、ここが奴隷がいる部屋か…」
「奴隷?」
「ケリィ様は見なくていいですからね」
ベルは牢屋の扉を蹴り開けた。
そこには、大型の魔獣や、ボロボロの人間達が閉じ込められていた。
牢屋の中は酷い匂いで、魔獣たちはおそらく、記憶系の魔術でおとなしくさせられているのだろう。
そのせいで、とてもおとなしくしていた。
「………ねえ、君、助けに来たよ」
「………」
適当な子に話しかけたが、返答が返ってこなかった。
体中ボロボロで、首や太ももなど、いろんな場所に傷があり、もしかすると、暴力を受け、心が壊れてしまったのかもしれない。
「あとで必ず助けるからね……おいケリィ!!お前、こんな子供まで捕まえたのか!?」
「……?何のこと?」
「お前、とぼけるのか!」
「ベル様、ケリィ様は知らないのです、そこのぼろ雑巾どものこと、長様の命令で、私が捕まえた者達ですから、ケリィ様の教育に悪いでしょう?」
「そうか…お前が全部悪いのか…」
「それは少し心外ですね、長様の命令を聞いただけですのに」
「まあいい、今すぐお前達の元に行って、二人まとめてぶっ飛ばしてやる!」
ケリィの部屋にて。
ケリィの部屋は、お人形や、おもちゃであふれ、ピンクの壁紙を貼った、子供部屋のような部屋だ、そして、そのピンクの壁の一部には、この部屋に似つかわしくない、ケリィの作った、カメラという魔道具から映像を飛ばし、それを映させる、モニターという魔道具が設置されていた。
ケリィは、このモニターでベルを監視していたのだ。
ハルは、ケリィの耳を塞いでいた手を退かし、ケリィに話しかける。
「ベル様が来る前に、実験場に向かいましょうか」
「わかった!」
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