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生まれ変わればいい人生?  作者: カマーチ
魔動都市アルカナ編
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30/41

白蛇と黒蛇

ベルは急ぎ冒険者組合に向かい、ホワイトサーペントの出現を知らせる。

そして、A級魔獣討伐の為に、冒険者による討伐軍を結成し…

ベルは、ホワイトサーペントから命からがら逃げ延び、冒険者組合へ報告するために、走っていた。

ベルが宿泊している、アルカナの冒険者組合に着き、大きな両扉を押し開け、中に飛び込む、そのまま並んでいる冒険者達を無視して押しのけ、カウンターにいる受付嬢に話しかけた。


「ちょっと!順番は守ってください!」

「そうだぞガキ!!いくら子供だからって!」

「そんなことどうでもいいから!さっき、蛇の森で、ホワイトサーペントが出た」

「ホワイトサーペント!?」

「なんでA級の魔獣があの森にいるんだよ!」

「わかんない、でもホワイトサーペントが出たってことは、ブラックサーペントも現れる…」

「A級の魔獣が二体も現れたら…アルカナなんて簡単に滅んでしまいます!」受付嬢が叫んだ

「そう…だから組合長に今すぐ会わせて!」


冒険者組合は一時騒然となった。ベルが組合長と会う事を希望し、緊急事態だったため、すぐに組合長の部屋まで通された。


「君が…ホワイトサーペントを発見した冒険者ですか?」

「うん、私がホワイトサーペントを発見した」

「なるほど…ではまず挨拶から、アルカナ冒険者組合の組合長のレルゲンと申します、見ての通り、ハーフエルフです」

「私はベル、よろしく」


アルカナ冒険者組合の組合長、レルゲンは、長い金髪に緑の目、緑の服を身に纏い、長い耳の、エルフって感じの見た目だった。

レルゲンは書類に文字を書きながら、ベルに話しかけてくる。


「それで、ホワイトサーペントを見たのは確かですか?」

「うん、あの見た目だからね、衛兵さん達も見たはずだから、聞いたらいいよ」

「……そうですか、それにしても、なぜ……。あの森にA級の魔獣が出てくるなんてこと、今までなかったのに」

「魔獣の生態はほとんど解明されてないからね。どれぐらい眠るのかもわからない。だから、実は山で眠ってたのかも。」


この世界は魔獣に支配された世界だ。人間は魔獣達からしたら、アリと同じ。まだまだ魔獣のことを解明できていないのだから、突然現れてもおかしくない。


「なるほど…では、ベルさんの目で実際に見たホワイトサーペントを倒すには、何人の冒険者が必要ですか?」

「そうだね…A級冒険者が十人、B級冒険者が三十人は欲しい」

「それほどですか…わかりました、A級十人とB級三十人…集めましょう!」

「ありがと…レルゲン」


レルゲンの頑張りにより、冒険者が集められる事となった。

まずは、すでに冒険者組合の建物の中にいる冒険者達に声をかけた。


「皆さん!すでにご存じでしょうが、蛇の森にA級魔獣であるホワイトサーペントが出現しました、そして、ホワイトサーペントが現れると必ず現れる魔獣、ブラックサーペントも…どこかに潜んでいるはずです、もし奴らが出会ってしまえば、モノクロスが生まれてしまう…」


モノクロス…それは、ある伝説がある、白蛇と黒蛇が出会い、交わるとき、二匹の蛇は合わさり、国をも滅ぼす厄災となる。

そして実際に、ホワイトサーペントとブラックサーペントが出現し、二匹の合体を阻止できなかった国が、いくつも滅んだり、滅びかけたりした過去があった、しかも、滅ぶのは国単位、もしこのアルカナに現れてしまえば、一晩と経たないうちに、アルカナは廃墟と化すだろう。


「モノクロスが生まれたら、アルカナどころか、この国や周りの国にも被害が及ぶ、だから今討伐しないといけないの!」

「そういう事なら、私達も協力するわよ」

「ハーラ!」


冒険者組合に帰ってきたのは、水龍村で出会ったパーティー、棘の三人だった。


「それで、計画はあるのかしら」

「うん、冒険者はレルゲンさんが集めてくれる、あとは、森のどこかにいるホワイトサーペントとブラックサーペントを出来るだけ遠くに分断しないといけない」

「そうですね、二匹が少しでも近づくと危険です」

「となると、私の出番だな!」

「ランは何か出来るの?」

「ふっふっふ、ランはね、『挑発』って魔法で、魔獣の視線を一点に集めて、分断とかが出来るのよ」

「わぁ!今こそ出番じゃん!!」


棘の三人の登場により、化け物であるホワイトサーペントとブラックサーペントの討伐が見えてきた。

おそらくホワイトサーペントとブラックサーペントは今接近しているだろう。

接触する前にランの『挑発』で分断し、一対二十の状況を生み出すことが出来るからだ。


「ベルさん!A級十人B級五十人準備出来ました!!」

「早!?え、てかB級五十人!?」

「まあ、アルカナは魔道都市だし、パウムス帝国の中でも結構大きな街だからね、冒険者もいっぱいいるのよ」

「な、なるほど…とりあえず、これで準備できた、出発の準備をしようか!」


レルゲンの頑張りにより、冒険者が余分なまでに準備が完了し、冒険者組合が準備した回復薬などを、冒険者達が魔動袋に詰め込み、蛇の森に進軍し始めた。

その道中、ハーラはホワイトサーペントの能力などをベルに聞いてきた。


「ベルちゃん、ホワイトサーペントはA級で、伝説的な存在だから、能力とかはまだあまり詳しくはわかってないの、ベルちゃんが見た範囲で能力を教えてくれる?」

「うん、見た範囲だと、硬い鱗と強力な毒を吐いてくる、強い魔法も鱗にはじかれた、毒は…岩とか溶かしてた」

「なるほど…それはかなり大変そうね…」


毒に関しては、ベルの腹まで貫いたが、さすがにそれを言ったら、周りの冒険者に驚かれるため、黙っておいた、まあ岩を溶かしたといえば脅威は伝わるから大丈夫だろう。

そうして、総勢六十人の冒険者が蛇の森の奥までたどり着いた。


「サエラ、ホワイトサーペントの魔力はある?」

「はい、ここから三百メートル先に……って、あ!ブラックサーペントがホワイトサーペントに近づいてます!!」

「ラン!『挑発』でこっちに来させて!!ベルちゃんはホワイトサーペントの相手をして、それと…」

ハーラはこっそりとベルに話した

「メルちゃんに『幻』をかけて、普通の冒険者に見えるようにしてあげるから、メルちゃんも参戦させて」

「でも…うん、わかった、メル出ておいで」

「メルも戦っていいの!?やった~!!」


ハーラが影から飛び出したメルに『幻』をかけ、羽や角を見えなくしてくれた。


「お~!羽と角が無くなった!」

「メルちゃん、ママを助けてあげてね。でも、危ないことはしちゃダメ」

「うん、ママを守る!」

「おいハーラ!!『挑発』を使うぞ!!」

「わかった!!ベルちゃん、メルちゃん、生きて会いましょうね」

「うん!」


そうして、ランが挑発を使った、すると遠くから勢いよく木々が倒れていく音が響き、黒い鱗に覆われた大蛇がこちらに向かってきた。

ブラックサーペントの後ろを、ホワイトサーペントが追ってきた。

そこで、ベルはホワイトサーペントに『灯火』を投げ、こちらに誘導した。


「ほら!!こっちに来い!!」


ベルはメルと二十九人の冒険者を引き連れ、ブラックサーペントとホワイトサーペントを出来るだけ離した。

少し開けた場所にたどり着き、ここで戦うこととなった。


「みんな!!ここで戦うよ!!」

「「「「「おーーーーーー!!!!!!!!」」」」」


冒険者達がホワイトサーペントに飛びかかった。だが、ホワイトサーペントはひるむこともなく、冒険者達を尻尾で吹き飛ばしていく、その隙をつき、ベルは…


「みんな離れて!!大地よ、我が敵を刺し殺せ!『岩針山』!!」


普段使っている省略詠唱をやめ、フルで詠唱を行った。その結果。

逃げているときとは比べものにならない威力の『岩針山』が放たれ、ホワイトサーペントの腹に少し傷をつけ、ひっくり返すことに成功した。


「みんな!腹を狙って!!!メル!上から『黒柱』を使って!!」

「わかった!!『黒柱』!!!」


メルが放った『黒柱』は、仰向けになったホワイトサーペントに突き刺さり、腹に大穴を開けることに成功した。

その隙を見逃さず、ホワイトサーペントの喉元に鎌の先端を突き刺す。


「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

「ママ!危ない!!!」

「グぅ!?」


ホワイトサーペントの放った巨大な『猛毒針』がベルの片腕を吹き飛ばした。


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