アルカナへの旅路と愛娘
ベルは、ラトルを後にし、アルカナへと続く道を歩いていた。そして、依然拾った、シャドウワイバーンの卵に変化が
ベルは、ラトルを後にし、アルカナへと続く道を歩いていた
「ふぅ、アルカナまで村とか町はないから、食料無くなるだろうな~…となると、また魔獣を焼いて食べないとなのか~」
ラトルでは、野菜や調味料を大量に買っておいたが、おそらくアルカナまでは着くのにかなり時間がかかるだろう。となると、野菜などの添え物が無くなってしまうだろう。そんな風に嘆いていると、突然魔動袋が動いた
「ひゃ!?え、なに!?」
魔動袋を開けると、大森林のワイバーンの谷で拾った、シャドウワイバーンの卵にひびが入っていた
「あ!ひびが入ってる!!ちょ、待って待って!!」
ベルは急いでタオルを取り出し、生まれるのを待ち構える、そしてついに。卵が割れ、中から黒髪のベルより一回り小さい、三歳から四歳程の幼女が現れた。頭には後ろ向きに生えた黒い角、背中には黒い、ワイバーンの羽が生えていた
「へ?お、女の子?いや、てか何で人間!?」
「…まぁま!」
ベルは、完全にトカゲのような、ベルが戦った、あのワイバーンが黒くなった個体が生まれると思っていた、だが、黒髪の少女が生まれてきた。そして黒髪の少女は、辺りをキョロキョロと見渡して、ベルの方を向き、ママと呼んできた
「ま、ママ!?えっと、まあ、うん、ま、ママだよ~」
「まぁま!!」
「言葉はあんまりわかんないのかな、よしよし」
タオルで少女についていた卵白?を拭きとり、裸はまずいのでとりあえずタオルを巻いた
「てか、角とか羽生えてるんだね…それにしても…お母さんになんか似てる」
「…?」
少女の風貌は、どことなく、ベルの母、メアに似ていた、その目や骨格、髪型のせいだろうか…
「名前…メル、メルにしよっか」
「め…ル?メル!」
「ふふ、そうだよ、今日から君はメルだよ」
「それにしても…ご飯ってどうすればいいんだろ、お肉食べる?」
メルの顔の前にお肉を持ってきてみたら、ガブリと食いつこうとしてきた
「あ、食べれるんだ、ちょっと待っててね、今焼いてあげるから」
「あ~うぅ!!」
「ふふ、食いしん坊さんだね、すぐ焼くからね」
ベルがフライパンで肉を焼いてる間、ずっとメルにじ~っと眺められていた
「はい、お待ちどうさま♪はい、あーん」
「あーむ」
ナイフとフォークで切り、メルの口元に運び食べさせる、それを流れ作業のように繰り返し、メルはあっという間に肉を完食した
「おいしかった?」
「ケプッ、あぅ!」
そうして、ベルは、メルという子供ができ、僅か五歳で母親になった、メルが生まれてから四日ほど経ち、ワイバーンの成長速度が速いからか、すでに喋れるようになり、イヤイヤ期がやってきた
「メル~、ご飯だから、木登り終わりだよ~」
「やだー!まだ遊ぶの!!」
「わがまま言っちゃダメだよ?ほら、メルの大好きなお肉焼いたから」
「お肉飽きた!!」
「まあそれはママも同じだけど…」
ベルは困り果てていた、前世の経験も中学三年生まで、さすがに子育ての経験は妹の世話しかしたことがない、かわいい娘だからか、おむつなどのお世話は苦じゃないが、ここまでわがままを言われるとさすがに疲れる
「よっと、ほら、降りよ?」
木に飛び乗り、メルを抱き上げる
「いーーーーやーーーー!!まだ遊ぶの!!ご飯やだ!!」
「それにしても、メルやっぱりおっきくなったよね」
「おっきくなるのやだ!!」
「それまでいやって言われても…あ、そういえば、メル、絵本読んでみようか」
「絵本?なにそれ」
「これだよ」
ベルは魔動袋から絵本を取り出す、この絵本は、ラトルにいた間に、何故か絵本が売ってあり、少し値段が高かったが、余裕があったので購入した
「それにしても…これ書いてる人の名前…大久保愛菜って、日本人…私以外にも転生者とかがいるのかな?まあ、私だけって可能性のが低いけど」
「ママ!!早く読んで!!」
「あぁ、はいはい、読むからね!」
そうして、メルを膝の上に座らせ、読み聞かせを始めた、読みながらベルは思ったが、話の内容が少し違う、明らかに知っている話がいくつか混ざっていた、おそらく描いた人はうろ覚えすぎて複数の話が混ざったのだろう
「はい、おしまい、どうだった?」
「ママ!もう一回!もう一回読んで!!」
「ふふ、気に入ったんだね、で~も、もう一回はご飯食べてから、そしたら、もう一回読んであげる、どお?」
「食べる!ご飯早く!!」
「はいはい、ふふ」
それからまた3日後、メルはまた成長し、ベルと同じぐらいの身長になっていた、ただまだ経験は浅く、精神年齢はそこまで成長していないが。そして、メルのイヤイヤ期は終わり、今は、ママっ子の甘えん坊になっていた
「ママ〜、おんぶ〜!」
「はいはい、ほら、背中乗って?」
「やったぁ〜!」
「あ、そうだメル、これからママとメルは、魔獣と戦うことになるの」
これから、アルカナに向かう道中で、必ず魔獣と会うことになる、そして、メルの将来の事も考えると、魔獣と戦えるようになった方がいいはずだ。
「魔獣?魔獣ってなあに?」
「魔獣っていうのは、ママやメルを襲ってくる、怖ーい動物さんなの、ママが持ってくるお肉も、魔獣さんのお肉なんだよ?」
「そうなの!?」
「そう、だから、これから、魔獣と戦う方法を教えるね?」
「わかった!メル、ママの為に頑張る!!」
「も〜!♡メルはほんとに可愛いんだから〜!!♡」
そうして、これからの為に、メルに魔獣を狩る方法を教える事にした。これから、パウムスと戦うために、メルに、自分で自分の身を守る方法を教えるために、必ず教えないといけないことだから。




