鉱山に巣くう龍の残滓
ベルは、鉱山を魔力で満たし、魔獣を大量発生させた原因、龍の角を見つけ、パウムス帝国の強化を避けるため、破壊しようとする
金色に輝く、半透明の龍を目の前にベルは『妖刀村正』を構えた、龍が咆哮をするだけで、ベルは壁に吹き飛ばされそうになる、龍が角替わりで落としただけの角で、この力、本体の力はベルには想像すらできない程だった
「キヒヒ♡久々に強敵だね、と言っても…どうやって倒せばいいんだろ…」
ベルは龍からの突進や額に生えている一本の角から放たれる雷の攻撃を避けながら考えていた、どこを攻撃すればいいのか、龍の鱗はすべての攻撃をはじくとすら言われるほど硬い鱗、それに近づくことすらできないから『妖刀村正』も効果を発揮できない…そう考えていると、龍の額から伸びる一本の角に目が留まった
「ん?一本の角…あれが弱点か!!となれば…『闇棘』!!」
壁からデカい一本の角が飛び出し、龍の角を狙った、龍は視覚外からの攻撃で一瞬反応が遅れ、大きな隙が出来た、ベルはそこを逃さず、前方、龍の角目掛けて飛び、龍の角に『妖刀村正』を振るい、当てた
「よっし!欠けた!!!」
『妖刀村正』の当たった場所が、大きく欠けた、その衝撃に、龍は更に大きく隙を見せ、耳にくる咆哮をあげた
「グギャーーーーー!!!!」
「あっはは!効いてるねぇ!!!!!さらにもう一回!!『闇棘』!!」
再び壁から『闇棘』を出し、龍の角を狙ったが、今度は龍は警戒していたのか、簡単に避け、ベルの腹に尾をぶつけた
「ガハッ!?こ…の、クソ蛇!!『火ノ弓』!!」
壁のクレーターから抜け出し、『火ノ弓』の詠唱をする、ベルの手の中に炎で作られた弓が現れ、ベルがそれを射る、炎で生成された矢が凄まじい速度で龍の角目掛けて飛んでいく、だが、龍が避けるまでもなく、コツンと当たり消えた。あまりの威力のなさに龍の口角が上がった気がした。
「残念、それはブラフだよ!!」
矢が飛んで行った間に、ベルは龍の後ろに移動しており、龍が油断していた間に、龍の真上に現れ、再度龍の角に『妖刀村正』を振るった、今回は命中し、龍は大きくのけぞった、だが、龍はただでは倒れず、ベルの腹に雷を落とし、風穴を開けた
「あっぐ!?ゲホッ!お…互い、致命傷だね、さあ、最後の一発で決めようか!」
お互い、龍の血による回復力で傷が治っているが、それでもお互いは本来ならば致命傷になる傷を負っていた、龍は次に角に攻撃を受ければ、形の維持が不可能になるだろう、ベルの方も、次に攻撃を受ければ、意識を失い、その間に食べられてしまえば、消化により、常にダメージを受け続け、目覚められなくなるだろう、そのため、正真正銘最後の一発である。龍は角に魔力を込め、ベルを確実に沈める攻撃の準備をしている、ベルの方も、龍を一撃で倒す、魔法のイメージを始めた
「魔法はイメージ…私が今イメージ出来るのは、ここまで…某東〇の代表的な怪獣のアレのイメージ!『収束熱戦』!!!」
ベルは手の平に魔力を込め、両手で挟み、圧縮、火魔術のイメージで温度をあげ、雷魔術のイメージで高速に、そして、龍とベルの魔術が同時に放たれた、龍の雷と、ベルの『収束熱線』が交差し、お互いの攻撃が、それぞれの標的に飛んでいく、だが、ベルは『収束熱線』を放った衝撃で後ろに吹き飛ばされ、ギリギリで雷を回避、龍は避けることが出来ずに、額の角に命中し破壊された、角がなくなり、龍の角を核として作っていた、龍の体は、霧のようにして、サラサラと消えていった
「ゲホ…はぁ…今の私じゃあこんな威力か…でも、倒せた…!…それにしても…腹に風穴開けられちゃった…ほんとに防具が必要になっちゃったな~」
そう言って、ベルは立ち上がり、魔術で証拠隠滅をした後に、鉱山を出た、龍の角が破壊された途端に鉱山内の魔力がどんどん薄まっていき、魔獣たちが酸素が無くなったかのようにもだえ苦しんで死んでいた、虫の裏を大量に見てベルはかなりげっそりした
「あ…これって…ギャーーーーー!!またナメクジーーーーー!!!!」
帰り道で今度はアシッドスラッグがひっくり返った死体があり、デカくなっているせいで、大量にある小さな足が無数にびっしりあり、それを見てしまったベルは…
「あっ…ヒぅ…『絶対零度』!!!!!!」
あまりの気持ち悪さに『絶対零度』を使い、鉱山の一部を完全に凍り付かせてしまった、その他にも魔獣の死体を見ながら、時折吐いたりしながら、何とか鉱山を出た
「ふぅ…ふぅ…地獄だった…」
「あ!おい!ベルが出てきたぞ!!」
そんな少し懐かしい声が聞こえてきた。その声の主はニック、トニックスのリーダーだ
「ベルちゃん!心配したんだから!!」と、メルアが抱きしめてきた
「う…うん、ありがとメルア、その、苦しい…」
「ベルちゃーーーん!ほんとにほんとに心配したんだから~~!」
そんな事を言いながら泣きながら抱きしめてくるメルアにどうしようかと迷っていると、リュースがメルアの頭を叩いて引きはがしてくれた
「こら、ベルちゃん苦しそうでしょ、疲れてるだろうし、離してあげて」
「あ、ありがと、リュース…」
「うん、別にいいよ、それにしても、ベルちゃん、なんでそんなげっそりして、そんなに強い魔獣が出たの?」
「虫…虫がいっぱい…気持ち悪かった」
「む、虫?ベルちゃんなら虫なんて簡単でしょ」
「簡単なんだけど…気持ち悪いの…」
そうして、ベルはラトル鉱山の魔獣事件を解決し、組合長のゲルに質問攻めをされそうになったが、トニックスのおかげで、質問は後日になった




