ラトル村の鉱山にて
ベルとトニックス五人は武具の村、ラトルに着く、いざ必要な武具を買おうとしたが、どうやら鉱山で問題が起きて鉱石が採掘できなくなっているとか
ベルとトニックスの六人は、ラトル村についにたどり着いた
「つ、着いた~」メルアが声をあげる
「や、やっとあの地獄が終わる!」リュースがキラキラした目でまるで天国を見るように目を輝かせていた
ラトル村は、石で作られた大きな壁で囲まれていた、入り口には二人ほど兵隊が立っており、身分確認をしていた。村というより、大きめの町という感じだった
「そこの者!止まって身分証を出せ!」
「はい、冒険者証」ベルが冒険者証を出し、ほかの五人も取り出し無事にラトルに入ることが出来た
「さて、そろそろ解散しようか、私はしないといけないことがあるし」
「そうだな、これ以上ベルに迷惑をかけるわけにはいかないしな!」
「ほんとに、ベルちゃんがいなかったら僕達あそこで死んでたよね!」
「それじゃあ、また会おうね」
「「「「「またね~!!」」」」」
ほんとに息の合ったパーティーである、五人一斉に全く同じ挨拶をしてきた。そんなことを考えながら、ベルは鍛冶屋に向かう、ここでの目的は高性能な防具の購入である、サーヴァルに教えてもらった、傷を受けると龍化が進むという情報を聞き、せめて遅れさせるために、傷を負わないための防具を買いに来たのだ。
「それにしても、水龍村とは全然違う、発展してるな~、建物もレンガで作られてて二階建てだし、わ!蛇口まである!」
水龍村ではすべて木で作られた建物で、屋根は藁だった、だが、この場所ラトルは、家のすべてがレンガ製で頑丈に作られており、水魔術の魔法陣が書かれた蛇口すらある、おそらく鍛冶師などの職人がいることで、ある程度科学力なども高いのだろう
「でも村の規模的には町ではないんだろうな~、やっぱりこの谷結構危険な魔獣もいるし、おっきくしちゃうと防衛が難しいからかな?」
そんな事を考えながら歩いていると、ぱっと見でもわかる、人がハンマーを持って鉄を叩いている絵の描かれた看板がかかっている場所があった、おそらくあそこが鍛冶屋だろう
「ここかな?えっと、誰かいますか~!」
「んぁ?なんだ、客か?」
「あ、いた、そうだよ、防具買いに来たの」
「残念だが、今は売れねえな」
と、ドワーフだろうか、小柄で長いあごひげを持っている、ザ鍛冶師の老人が答えた
「なんで?」
「お前さん知らないのか?今鉱山で魔獣が暴れてて、鉱物が採掘できねぇんだ、だから俺達も売れなくて倒産寸前だぜ、しかも、魔獣が強いんだか知らねえが一向に討伐されねぇ、ほんと困ったぜ」
「なるほど…じゃあ魔獣が倒されて鉱石が採れるようになったら作ってくれる?」
「そりゃな、だがお嬢ちゃんじゃ魔獣なんか倒せねえだろ!」
「さあ、わかんないよ、まあとりあえず、約束ね」
そう言って、ベルは鍛冶屋を後にし、冒険者組合に向かった。また冒険者組合の扉を開くと、水龍村の時とは違い、暑苦しいムキムキの男達が立っていた
「あぁ?こんなところになんの用だ嬢ちゃん」
「ここはお家じゃねえぞ!さっさと帰れ!」
「私ちゃんと冒険者だよ」
「嘘つけ!冒険者証見せてみろや」
そう言われたので、ベルはおとなしく冒険者証を取り出し、めんどくさい男達に見せつける
「ね?ちゃんと冒険者だよ」
「お、おいおい、ぜって~嘘じゃねえか!こんなガキがCランクなわけない」
「…もういい」
ベルは男達を無視してカウンターに向かう、すると肩をつかまれ
「おいおい待てよ嬢ちゃん、ここは遊ぶとこじゃねえんだよ」
「触んな、汚れる」
「あぁ!?今なんつった!!」
男が肩を強くつかんできたので、男の手首を掴み、へし折る、ぎゅりゅと、手首が一回転し、男は一瞬ぽかんとした後、声をあげ床に転がった
「ギャーーーーー!!!イデェェェェ!!」
「おいおい!こんなガキに負けんじゃねえよ!オラおめえらやんぞ!」
「大人げないね」
男達が一斉に飛びかかってきたところを、キレイに交わして、ちょうど目の前にいた兜をかぶった男のみぞおちを殴り、隣にいた金髪のいけ好かない男の股間を蹴り上げる
「グふっ!?」
「ぎゅっ!?」
「お、お前!何しやがんだ!」
「お前たちが悪い」
続けて、飛びかかってきたスキンヘッドの顎を掴んで握りつぶす、さらにもう一人やろうとしたその時
「おめえら!!何してんだ!!!!」
「く、組合長!!」
筋骨隆々、腕や足がとにかく太く、いかつい顔をした年配の男が組合の奥から扉を蹴り破って出てきた
「組合長?だれ」
「俺はゲルだ!このラトル冒険者組合の組合長だ!んで、なんで喧嘩してんだ?」
「組合長!このガキが冒険者だって嘘ついて入ってきたんだ!それに何人もやられた!」
「ほぉ?どれ、冒険者証見せてみな、嬢ちゃん」
「うん、はいこれ」
「どれどれ~」
ゲルと名乗った男が、冒険者証をじっと見つめて、目を離すと、冒険者の男の一人に特大の拳骨を食らわせていた
「イっでぇぇぇ!!!何すんだよ組合長!!!」
「おめえら目ついてんのか!これのどこが偽物だ!」
「いやいや!こんなガキが冒険者だって信じられるか!」
「なんだぁ?てめぇ、俺の目を疑うってのか!!!!それによぉ、お前らこんだけボコられてるのに、この嬢ちゃんを疑うのか?」
「もういいでしょ?冒険者証返して」
「あぁ、悪いな嬢ちゃん」
「嬢ちゃんじゃない、ベル」
「そうか、ベル嬢ちゃん」
とにかく、組合長のおかげで何とか大丈夫そうだ。後ろでまだやんややんや言っている男達を無視して、カウンターに向かう、カウンターに飛び乗って、足を浮かした状態で顔だけを出す
「んっしょ、鉱山の依頼ある?」
「あら、可愛らしいお嬢さんね、鉱山の依頼ね、鉱石採掘?」
「ううん、鉱山で暴れてる魔獣がいるんでしょ?それの討伐したいの」
「えぇ!?ほ、ほんとに大丈夫?」
「うん、大丈夫、私強いし、ヤバそうだったら逃げるから」
「そ、そっか、危なかったら絶対逃げてね?」
そう言って、受付嬢に依頼書を貰い、冒険者組合の大きな扉を再び両手で押し、外に出た




