初めての依頼と怪しい影
ベルは、冒険者組合の依頼を経験するために、冒険者組合に足を運んだ、そして、初めての依頼として、薬草採取に向かうが、そこで不穏な影見かけることに
翌日
ベルは経験を積むために、冒険者組合で依頼を受けに来た
「…ねえ、シルエッタさんだっけ?なんで脚立置いてあるの?」
「あ!ベルちゃん、いやね、ベルちゃんみたいにちっちゃい子が来た時顔が出せないと困るかな?って思って置いたの、いいアイデアでしょ?」
「…いいアイデアだけと、なんか屈辱…」
そう言いながら、脚立の上に立ち、カウンターの上に顔が出るようにした
「それで、ベルちゃん、今日はなんの用?」
「冒険者登録しようと思って、冒険者登録したら身分証代わりにもなるんでしょ?」
「えぇ、そうだけど、ベルちゃん身分証無いの?」
ベルはベルナ村の生まれ、そのため、身分証なんて最初からないのだ、そのため、村の人間は皆、ラントもセラも法的には存在しない存在なのだ
「うん、火事で燃えちゃったから」
「火事…お父さんとお母さんは?」
「…家と一緒に死んじゃった」
「そ、そう…なら私が孤児院とかに…」
「いい、それはほんとに、自分で生きていけるように特訓してくれたから」
ベルはもう、ただの子供ではないのだ、前世の記憶を持ち、A級冒険者二人に鍛えられた、普通の五歳児ではない
「それより、早く登録!」
「あ、うん、じゃあ」
そう言って、シルエッタは針と一枚のカードを持ってきた
「これに、ベルちゃんの血を垂らすと、今の実力が何ランクなのかと、ベルちゃんの年齢、身長、身分証明が刻まれるの」
「なるほど…ここに血を垂らすの?」
「そう、この針を使って…少し怖いかな?」
「ううん?」
そう言って、自らの手首に突き刺す、そこからどくどくと溢れ出てくる血をカードにドバドバ垂らす
「わわ!!!ベルちゃんやりすぎ!!!包帯包帯!!!」
「…はむ」
ベルは血の溢れる手首にしゃぶりつき、自らの血を舐めながら、治療する、大森林の戦闘中で気づいた事だが、どうやら、ベルには異常な回復能力が備わったらしい、おそらく、あの龍の血のせいだろう、髪が白くなり瞳孔が細くなる、もしかすると、体が龍になっているのかもしれない
「ん、治った」
「えぇ!?なんで!?」
「そういう体質、心配いらない」
「ま、まあいいけど、って、えぇ!?!?」
「ん?どうしたの?」
「こ、これ、冒険者カードが!!!」
ベルが冒険者カードを見ると、Cランクと書いてあった。ベルはこんなものかと思ってしまった、あの二人はAランク、二人には遠く及ばない
「こんなもんなんだ…」
「な、何言ってるんですか!!!五歳でCランクって、人間じゃないですよ!」
「ひどいな、人間だよ、多分」
「多分ってなんですか!!自分でも確証持ててないじゃないですか!!」
「まあ、お父さんとお母さんからの特訓の成果だよ」
事実、修復には魔力が使われている気がする、魔力は体力と直結している、なので、あの地獄のトレーニングのおかげで今この修復力があるわけだ
「それより、もう登録できたんでしょ?早く依頼に行かせてよ」
「あ、そうですね、それじゃあまずはFランクからの依頼です」
「…Cランクの依頼でよくない?」
ベルはCランク、Fランクの依頼なんて簡単にこなしてしまうだろう、それならばCランクの討伐依頼をさせてくれてもいいのに、何故Fランクなのだろうか
「みんなそうですよ、チュートリアルですから、たとえSランクって出ても最初はFランクの薬草採取か小鬼討伐です」
「むぅ、なら、スモールゴブリンの討伐する」
「はい!スモールゴブリンの討伐ですね、では依頼内容の説明をします、この村から南にある森で、スモールゴブリン五体を討伐してください」
「うん、わかった」
「あ、それと、最近その森で盗賊が時々確認されてまして、気を付けてくださいね」
そうして、ベルは森にやってきた、大森林とは違って、弱い鹿型の魔獣の鳴き声や小型の鳥型魔獣の鳴き声が度々する程度、非常に安全でつまらない
「あ、いた…」
ベルの目の前には、ホーンラビットの死体を食い漁る、二体のスモールゴブリンが居た
「…あれなら簡単『闇棘』」
「ぐぎゃあ!?」
スモールゴブリンの影から棘が飛び出し、一体を貫いた、もう一体のスモールゴブリンは尻餅をつき、腰が抜けたらしく、ただただおびえていた
「一撃で終わらせてあげる『鎌風』」
ベルによる『鎌風』で、スモールゴブリンの首が一瞬にして吹き飛んだ
「えっと、証拠の為に鼻を取っていくんだっけ…ぶつぶつでキモ…」
支給品のナイフで鼻を剥ぎ取り、支給品の袋に入れる、残り三つ、この調子でいけばすぐに終わるだろう
「…つまんない…あ」
そんな事を言いながら森を歩いていると、ひょこりとスモールゴブリンが出てきた
「…『鎌風』」
先ほどと同じ要領でスモールゴブリンの首を飛ばし、また鼻を剥ぎ取り、袋に入れ、歩き出す、すると
「なんか、ゴブリンがいっぱいいる、あ!集落か!」
確か、依頼書に、ゴブリンの集落には、Cランク魔獣オーガのオスとメスの二体がおり、ほかにも大量のゴブリンがいる、初心者では危険なため、発見次第逃走し、組合に報告しろと書いてあった、つまり、強い魔獣がいる、暇をしているベルが放っておくわけなく、突撃した
「『鎌鼬』!!!あはははは!!!楽し~!!!!」
ベルはキャッキャと笑いながら、風の鎌でゴブリン達の体と首を分離させていく、そして最奥の小屋に着くと、中から鬼のオスとメスが出てきた
「ふふ、前はオスだけだったからつまんなかったけど、今回は二体、楽しませてよ!!!『鎌風』!!!」
ベルは『鎌風』を放ったが、鬼の硬い皮膚を斬ることは叶わず
「やっぱり戦いは楽しいな!!!!『闇棘』!!!」
鬼は影が膨らんだのに気づきはしたが、動きの遅い鬼は避けられず、そのまま脳天を二体は貫かれた
「えっ…お、終わり?もう?…んにゃ~!!!!!つまんなーーーーーい!」
ベルは泣きながらゴブリンとオーガの素材を回収し、袋に詰め、組合に帰る道中、盗賊達が大量に集まり、何かを話していた
「計画をもう一度言うぞ、今晩水龍村の門を破壊し、組合と冒険者の泊まる宿に火を放つ、そしてそのまま村人を襲い、若い女とガキを捕まえる、その後は家にある金を奪って逃走、いいな!!!」
「「「「おおおおお!!!!!」」」
ベルは木の陰に隠れながら、盗み聞きをしていた、盗賊達の話が終わったタイミングで立ち上がり駆け出す
「これは帰って報告しないとだね」
ベルは村に急いで向かった




