沸き立つスウの周り
フレクス解放作戦
「ノーザン大統領倒される」
「フレクスノーザン首都急襲」
「驕りのつけ フレクスの強襲に対応できず」
「死傷者10万人以上」
フレクスの奇襲部隊の攻撃は瞬く間に全宇宙に広まった。
「「今回の攻撃はノーザンに対する警告である。次に来る時はノーザンが滅びさる時になるだろう」
と言うのがフレクスの指令のローヤルが残した言葉です。」
ワールドワイドレポートのジミーの声が画面から流れていた。
「しかし、ローヤルはすごいですね」
オウ・タイワが言った。
「まさか、ここまでやるとは思わなかったぜ」
コンドも相槌をうった。
「何がすごいのよ。命を粗末にしているだけじゃない」
離れた所でスウはぼそっとつぶやいた。
スウは心配していた自分がバカを見たみたいな感じがしていた。
「姫、ご心配ですか」
ジョー・オハラが声をかけた。
「何で、私が心配するのよ。あんなバカの事なんてほっておけば良いのよ」
「そうです。王女はあんな向こう見ずな男の事なんて無視してればよいのです。」
間髪いれずにミリア・ハンは応えた。
「それとも何か未練がありますか」
スウの顔を覗き込んでミリアが聞いた。
「み、未練なんかあるわけ無いでしょ。そもそも未練って何よ」
どもりながらスウは答えた。
「スウ、赤くなっていますよ」
ユウ・カーネルがからかった。
「はいはい、からかうのもそこまで」
ジョー・オハラが二人を止めた。
「からかうも何も何でもないわよ」
スウは反抗した。
「姫、それ無理です。お二人の事は全宇宙に放送されているんですから」
ジョーは諭すように言った。
「世紀の大カップル、ノーザンを倒すなんて、タブロイド誌に載ってましたし。」
「アスワンのチタなんか、歯軋りして悔しがっていました。」
「僕ら親衛隊も個人的には悔しいですけど、お二人を祝福していますよ」
オウやタツヤが言葉を継いだ。
スウは真っ赤になって黙ってしまった。
「話変わりますが、ラッセル中将がローヤルをこのハルカに招待されたそうです。」
タイワが言った。
「ローヤルを」
スウは驚いて声を出した。一瞬喜んだが、慌てて笑顔を消す。
それに、そんな事は出来る訳が無いのだ。
「なんでも、今後の事を打ち合わせたいとかで。」
「でも、そんな事したらノーザンにけんか売る事になるわよ。王がお許しになるはずが無いわ」
スウが心配して言った。それでなくても、自重しろとか、できるだけ接触するなとか、散々言わ
れて出てきたのだ。そう簡単に認められるわけは無いと思った。
「ラッセルの独断で、やったそうですよ」
面白そうにタイワが言った。国の重鎮の話など全く気にしていないという感じだった。
「そっ、責任は全てラッセル中将が取られるそうです。」
タツヤも尻馬に乗って言った。
「でも、ノーザンは面目丸つぶれで、いきり立っていると思うわ。
下手に刺激すると攻撃してくるかも知れないのよ」
スウが心配していった。戦争の誘引にはしたくなかった。
「ノーザンが来るなら受けてたつといきまいておられましたが」
タイワは面白がって言った。
「ま、向こう見ずラッセルのやることという事で、本国も仕方が無いとあきらめてもらうしかな
いんじゃないですか。」
タツヤも言う。
「そんな事言っても・・・」
「姫、今までとは状況は違うんです。難攻不落といわれていたノーザンの首都が攻撃されたと言う事で、今まで強圧的な態度で苦しめられていた各国は活発に動きつつあります。
また、ノーザン以外の各国での今回の傭兵部隊の働きは絶賛を浴びています。
ジパングとしてもここは無視できないんです。
フレクスは元々ジパングの保護国なのですから」
タイワが説明した。
「王女の人気もますます上昇しています。
人気ランキングにおいて、80%。
マルサス王の支持率は40まで10ポイントダウン
皇太子なんか10ポイントしかありません。」
ユウ・カーネルが言った。
「ユウ、人気ランキングなんていい加減なものを見て」
ジョーが注意する。
「艦長も喜んでいらっしゃったじゃないですか。」
ユウが反論する。
「王女は好きにしていただいて結構です。」
「そう、ローヤルといちゃいちゃして下さい。」
タツヤが言う。
「タツヤ!」
きっとしてスウが手を上げる。
「やばい」
タツヤが逃げる。
「王女、心配なさらずに、王族方も折れるしかないですから」
心配そうな表情のスウにタイワは言い切った。




