DDAY9日前
エクスペクトの艦橋の隣、コンピューター室でケーセ・ハクは3台のパソコン相手に奮闘していた。
3次元の立体画面に次から次へとデータが流れてくる。
そして、それを次々と分析していった。
ケーセ・ハクはまだ、19と若かったが、優秀な人材の多いフレクスでもハッカー技術においては、飛びぬけたものを持っていた。
今彼は銀河のありとあらゆる所を経由して、ノーザンの大統領の予定と艦艇の予定等を分析、
通信機器等の能力を探っていた。
「ケーセ、どうだ、上手く探れそうか」
ローヤルが聞いた。
「大統領の予定は元々ある程度は公表されていますから。他もある程度は予測できています。
スクリーンを見ながらケーセは応えた。「後はウィルスをどこに仕込むかです。」
「下手にやりすぎて警戒されるなよ」
「ハッカー攻撃は元々、いろんな国がやっていますから、ばれないと思いますけど。
少しずつなら、侵攻から毎日進入していますから」
こともなげにケーセは言った。
「任せる」
「出来たら当日攻撃宣言をノーザン全土に流せば良いんでしょ」
「最悪イスワタだけでよいよ」
「それが難しいんですけど」
ケーセはローヤルを振り返って言った。
「ケーセにとっては大したことは無いだろ」
「ま、やってみます。」
後ろにVサインを出しながらケーセは作業に没頭した。