DDAY10日前
フレクスの空もどんよりしていた。
フレクスの政治の中枢フレクス評議会はボストンの暗殺以来の無期限の活動停止、
ボストンに変わって政治の中枢には穏健派と目されるウージ・スミスがついていた。
「これを認めろというのか」
スミスはトムから渡された資料を見て驚いた。
そこには治安維持法とデカデカと書かれた資料があった。
「そうです。テロの取締りのために、ぜひともご協力いただきたいのですが。」
「しかし、テロと疑わしきものの殺害の権利などと、どこの国にそのような法律があるのだね」
「私どもの同盟国の方々の多くはこの条件にご賛同いただいています。」
横からカンニバル大佐がしゃしゃり出て応えた。
「しかし、疑いだけで殺すなど、」
「閣下。最近のテロリストの活動は活発化しているのです。今日だけでも、巡洋艦1隻が破壊されました。」
フレクス解放軍の基地の攻撃に実質的に失敗して以来、ノーザンの駐留軍への攻撃は激しさを増していた。
「このままですと、陛下のお命も危ないかと」
「私の命も狙っていると言うのか奴らは。」
「ボストン暗殺の黒幕と言われています。」
「それは貴様らがボストンを殺すからだろう。私はもともと殺すなんて聞いてなかったぞ。」
「いまさら終わった事は仕方が無いではないですか」
トムがとりなす。
「その後の首班は閣下なのですから。テロリスト達にとって閣下は裏切り者以外の何者でもありません。」
カンニバルが後を続ける。
「そうか、閣下は自らの首をテロリスト達にささげるとおっしゃるので」
「ええい、判った。」
スミスは傭兵部隊ならやりかねないと思った。
慌てて書類に署名する。
「ご英断です。」




