離脱
「敵旗艦爆発」
第四艦隊の旗艦ノーランドでオペレーターが叫んだ。
「何だと、なぜだ。」
「惑星フレクスからの攻撃と思われます。
青のイレブンからの攻撃の可能性大。」
ローヤルは遠くで爆発が起こるのを見ていた。
そして、気を失った。
「ローヤル」
スウが声を上げて、ローヤルをゆするがローヤルは反応しなかった。
「敵、機動歩兵接近中」
スウは慌てて操縦桿を握った。
上と下からモレルアツの大群が迫る。
地平と平行に飛ぶ。
そして、急旋回して上昇に移った。
モレルアツは上と下からミサイルを大量に発射した。
急激にミサイルが迫る。
「イレブン、お願い。」
スウは思わず目をつぶった。
「仕方が無いわね、助けてあげる」
スウの頭にクリスの声が響いた。
「クリス?」
スウは気を失う前にクリスの幻を見たような気がした。
青のイレブンは真っ赤に光り輝いた。
そして、ワープ空間に飛び込んだ。
ミサイルが、命中するまさに、その瞬間に青のイレブンは蜃気楼のように消え去った。
「消えました。青のイレブンはミサイル命中前にワープしました。死んでいったみんなの恨みをノーザンの旗艦にぶつけて離脱していきました。」
ジミーはカメラに向けて絶叫した。
「スタッド、青のイレブンがワープした。」
ジョーが連絡して来た。
「どこへ?」
地上へ降りようとしていたスタッドは慌てて聞いた。
「わからん、トレースは不能、それよりも、離脱するぞ」
「本当に勝手な奴だ。了解した。」
「よし、とりあえず作戦終了、敵ノーザン艦隊に向けて、一斉砲撃10秒後に離脱する。」
ラッセルは指示を下した。