ローヤル暗殺
それからしばらくは、戦いの後始末に大変だった。
もっとも、それまでの放浪生活に比べれば苦労は物の数では無かったが。
傭兵部隊の長としてローヤルはフレクスの評議員の一員となった。
傭兵部隊の再編。打ち合わせと、多忙を極めた。
そのローヤルの愛機ララポートはパルミール宇宙港の寂れた端に駐機していた。
寂れたそこはリックによると、ジパングからの差別の現われとなるが、
ローヤルとしては目立ちたくないとの依頼をジパング側が叶えてくれたということになる。
今後の打ち合わせも含めて、ジパングの官僚との打ち合わせが大半で、
ジパングの旧態以前の排他的な姿勢は疲れを増やす以外の何者でもなかった。
スウは依然ハルカにあり、ノーザンの警戒に当たっていた。
その日は初めて、王との非公式の面談が入っていた。
ローヤルは宿としても使っている宇宙船ララポートの階段をゆっくりと降りた。
その後ろにはスタッドが続いた。
「ローヤル」
階段を降りたところを後ろから声がかかった。
ローヤルはタラップの向こう側を振り返ると
「ユリア」
そこにはかつて、ローヤルを陥れたレスターの娘ユリアが立っていた。
「父の敵」
ユリアの指からレーザーが光ってローヤルの胸に命中した。
そして、ローヤルはゆっくりと倒れた。
「ローヤル」
スタッドは叫んで倒れる手前でローヤルを抱き止めた。
迎えの車の兵士もレイガンを握って立ち上がった。スタッドにめがけて撃ってくる。
国王に会いに行くと言う事で、ローヤルもスタッドも武器を持っていなかった。
慌てて、ローヤルを抱えてララポートに抱え上げる。
兵士達はララポートに攻撃を始めた。
「すぐに出せ」
スタッドはキム・ゴードンに命じた。
エンジンを全快にして、ゆっくりとララポートは垂直に上昇した。そして、一気に加速する。
そして、上昇を続ける。その時ララポートは突然閃光を発して爆発した。
瞬間のことだった。
細かく千切れた破片が回りに飛び散った・・・・




