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第105話
星は海だけに集中する。幸い、海の着ている白い服は(裾の長いワンピースのような服だ)この暗い夜の森の中でも、とても目立つ色だった。海の姿は懐中電灯の光できちんと照らし出しているが、たとえ真っ暗の中でも、この距離なら海を見逃すことはない。
(ちなみに星が森にいくための服装に山吹色のコートを選んだのは、それがお気に入りのコートであったと言う理由以外にも、星の持っているコートの中で、その色が一番目立つ色だったから、と言う理由もあった)
「どうして?」と海が言った。
(その声は雨の中でも、なぜかとてもクリアな音質で、星の耳にはっきりと聞こえた)
久しぶりに聞く、海の声だ。その声を聞いて星の魂がぶるっと震えた。
海の声はとても落ち着いているが、その声の中には、(とても冷たい声だった)星への憎しみや敵対心がありありと感じ取れる。海はそれらの感情を隠そうとすらしていない。むしろ積極的に星に自分の憎しみを伝えようとしているように思えた。
……なんだか星は(本当に悲しくて)自分のことが嫌いになりそうになった。




