第104話
葉が星の視界を遮り、雨が星の目を曇らせる。
まるで森全体が(条件は同じはずなのに)海に味方をしているみたいだった。
海はじっと星を睨みつける。(そんなことは今まで一度もなかったことだ)
その目には明らかな憎しみの感情が込められている。
……どうして? ……どうして、そんなに私を恨むの? 私があなたのことをこの場所まで追いかけてきたから? それとも、私が勝手に森の中に入ったことをあなたは怒っているの? ……それとも、私があなたに黙って『魚を森の中に連れ込んだこと』をあなたは怒っているの? それとも、もっとずっと前からあなたは私のことを恨んでいたの?
……海。それは魔女になっちゃったから、そうなっちゃったの? ……それとも、ただあなたが自分の感情を表に出さなかっただけで、昔から私に対してあなたはそんな感情をたくさん抱きながら、(とても長い時間の中を)過ごしてきたの? あなたはそんな感情をずっと抱いたまま、私の隣でいつも笑っていたの?
もし、そうだったとしたら、(後者だったとしたら)……本当に悲しい。
星の頭の中で、ぐるぐるとそんな言葉たちが回転する。(いろんなことが一気に起こって、星の頭の中で様々な思考や感情が忙しく動き回り、星は少し混乱している)
『星。余計なことは考えないで』
「わかってるわ」星が言う。(その短い会話だけでも、星は結構落ち着くことができた)




