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第四話

あの日、龍堂時さんから告白を受けた僕は、いつもよりボーっとしていた。

それは、周りの悪口が聞こえなるぐらい。


「ボーっとしてんじゃねーよ!!」


その言葉と共に蹴りを入れられ、僕は椅子から転げ落ちた。

皇都は笑いながら、胸ぐらをつかんでくる。


「おれ言ったよな、今日中に金を持って来いって。」

「金なんかないよ。」

「うるせぇ!! お前は俺の言うことを聞いてればいいんだよ!!」


そう言いながら、拳を振り上げる。

あぁ、またか、僕はそう思いながら目を閉じた。


「いい加減にしな。」


知らない女性の声が聞こえ、痛みはなかった。

目を開けると、一人の女性が皇都の腕をつかんでいた。


「な、何だよ!?」

「人からカツアゲして、恥ずかしくないのかい?」


女性は皇都の腕をひねり上げた。

そして、そのまま皇都を押さえつけた。

周りはこのことに呆然としている。


「い、痛てぇよ!! 離せ!!」

「なら、カツアゲしないと誓えるか?」

「わ、わかった!! だから離してくれ!!」


女性は皇都を開放すると、僕に近づいて手を差し伸べる。


「大丈夫? 怪我は?」

「だ、大丈夫です……。」


女性は、そっか!! と笑い僕を引き上げる。

そして、教卓の前に立ち、黒板に名前を書いてく。


「あたしは、新しい担任の『龍堂時秋名』だ!! よろしく!!」


秋名と名乗った女性は、ニカっと笑う。

このことに、皇都が声を上げる。


「あ。新しい担任だ!? 前の担任はどうしたんだよ!?」

「あぁ、あいつならクビになったよ。」


秋名先生の言葉に、クラス中がざわついた。

それもそうだろう、予告なしに担任が変わったのだから。


「あいつがクビなったのは、虐めを放棄してたさ。」

「い、虐めなんて――」

「現にやってただろう。」


秋名先生の声がだんだん低くなっていく。

これは、相当怒っている感じだ。


「言っとくが、私が担任になったからには虐めは見逃さないし、許さないから。」


OK? その言葉に誰もが頷いていた。

皇都も顔を青ざめながら、席へと戻った。


「じゃ、授業を始めるよ!!」


声色が戻り、秋名先生は授業を始めた。

秋名先生の授業は、前の先生よりわかりやすく、こんな僕でも問題が解けたほどだ。


「じゃ、今日はここまで!!」


チャイムが鳴り、秋名先生は教室から出て行った。

クラスの緊張が解けたのを、僕は感じていた。


「新しい担任の先生怖くね?」

「だよねー。」

「でも、私たちは悪くないよね?」


そんな言葉に、僕は呆れながら教科書をしまった。


「ま、真……。」


僕に声をかけてくる人がいた。

クラスのイケメンの『加藤祐樹』とその隣にいるオタクの『五十嵐直哉』だ。


「真、ごめん!!」

「ごめんでゴザル!!」


二人が突然謝ってきた。

突然のことに、僕は呆然としてしまった。


「ど、どうしたのいきなり……。」

「僕たち、真を助けることができなかった……。」

「それに加え、ただ、見てることしかできなかったでゴザル……。」


二人は、僕を助けようとしていたが、皇都の圧に負けてしまったのだという。


「だからごめん!!」

「本当に申し訳ないでゴザルよ……。」

「二人とも……。」


僕が言葉を言おうとしたとき――


「おい!! 待てよ!!」


皇都が声を上げた。


「お前ら!! 謝んのはおかしいだろ!! 悪いのはこいつなんだぜ!?」

「皇都、僕らは悪いことをしてきたんだ、謝るのが普通だろう?」

「だけどよ……。」


皇都が何か言うとするも、祐樹が反論する。

しかし、周りは皇都の味方だ。


「せ、拙者たちはもう、お前が怖くないでゴザル!! 今日からは真殿の味方でゴザル!!」

「僕もだ!! 真を守ってみせる!!」

「てめぇら……!! ぶっ殺す!!」


皇都が激高し、カッターナイフを取り出す。

周りから悲鳴が出てきて、皆怯え出す。

それでも二人は、僕を守ろうと前に立つ。


「死ねぇ!!」


二人が刺されそうになり、僕は二人の前に立つ。

さされそうになった、その時――


「させねぇよ!!」


秋名先生が、皇都の腕をつかみ捻り上げ押さえつける。

皇都は怒りが収まらないのか、暴れている。


「誰か!! 警察を呼べ!!」


秋名先生の言葉に、僕は110番通報する。

数分後警察が駆け付け、皇都を逮捕した。


「ふざけんな!! 離せ!! この野郎!!」


暴れる皇都を押さえながら、警察に連れていかれた。

僕と祐樹、直哉は一気に気が抜けてしまい、その場にへたり込んでしまった。


「皆、ケガはない?」


秋名先生の言葉に、皆は頷く。


「言っておくけど、今回はあいつが悪いけど、アンタらも同罪だからね。」


その言葉に、皆俯いてしまった。


「二人とも、よく頑張ったね。」


褒められてることに気づいたのか、二人は頬を赤くする。

そして学校は午前中で終わることになったのだ。





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