表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

第五話

学校の事件があり、今日は午前までの日だった。

それもそうだ、下手をすれば殺人事件になるのだったから。

秋名先生には助けられたな……。

そんなことを考えながら、家に帰ると黒塗りの車が家の前に止まっていた。


「え、な、何事?」


何やら大ごとな気がする……。

玄関に入り、すぐの部屋に入ると、あの時のお客さんと家族が座っている。


「よ、お帰り」

「あ、えっと、ただいま……?」

「悪いな、急にに来て」


お兄さんは、胡坐を掻き座っている。

両親は冷や汗を掻きながら、正座している。


「えっと、何があったの?」

「誠、お前を嫁に出すことになった……」

「……はい?」


僕を嫁に出すだって?

何かの聞き間違いだろうか?


「父さん、何言ってるの……?」

「だから、お前をこの龍堂時さんの嫁に出すことになった!!」

「そういうことだ、よろしくな」


そう言うと、龍堂時さんは僕の手を取り、甲の手にキスをした。


「あ、あの///」

「どうした、恥ずかしがって、可愛いな」


龍堂時さんは僕の頭をなでる。

それも愛しいそうに。


「ただいまー!!」


玄関から、当麻の声が聞こえた。

何やら嬉しそうな声音だ。


「父さん、母さん!! 今日の小テスト、僕が一位だったよ!!」

「お、おぉ、そうか、だが、今はお客さんが来ているから静かに……」

「お客さん?」


当麻は父さんの言葉に、怪訝そうな顔で龍堂時さんを見る。


「あんた、だれ?」

「龍堂時和真、お前の兄さんを嫁にもらいに来た」

「嫁ぇ? ブッ!! この人、頭おかしいんじゃないの!?」


おかしいと言わんばかりに、当麻は腹を抱えて笑う。

龍堂時さんの視線は冷たかった。

それに気づいた父さんが、当麻の頭を下げさせる。


「す、すみません!! せがれが失礼なことを!!」

「痛い!! 痛いよ父さん!! 何するのさ!?」

「黙れ!! このお方は『天明組』の龍堂時和真さんだ!!」


父さんの言葉に、僕と当麻は目を見開いて驚く。


「そ、そんな人が何で兄さんなんかを!?」

「俺が惚れた、それだけだ。」


そう言うと、龍堂時さんは今度は頬にキスをする。

僕は恥ずかしのあまりに、顔を真っ赤にする。


「もちろん、ただとは言わねぇ、おい!!」


龍堂時さんが拍手すると、あの時一緒にいたお兄さんがアタッシュケースを持ってくる。

そして、アタッシュケースが開かれると、そこには沢山の札束が入っていた。

およそで1000万ぐらいだろう。


「これで、こいつを貰う、いいだろ?」

「し、しかし……」

「あなた!! こんなチャンス無いわよ!!」


母さんが父さんを後押しする。

しかし、当麻が待ったをかけた。


「ま、待ってください!! そんな奴より、僕の方が合っています!!」

「はぁ?」

「だって、地味な兄より、可愛い僕の方が龍堂時さんには合って――」

「黙れ」


龍堂時さんの低い声が、部屋に響く。


「俺はこいつに、真に惚れたんだよ、真を悪く言うやつは俺が許さねぇ」


その言葉に、僕は嬉しさを覚えた。

いままで、家族に冷たく当たられていた僕に龍堂時さんは惚れたという。

嬉しそうな僕に、誠は睨みつけてくる。


「あぁ、そうだ、こいつにサインしな」


龍堂時さんが一つの紙を取り出す。

そこには、契約書と書かれていた。


樋口真を嫁にもらう。

真から、お金を取らない。

お金の無心をしない。

二度と真に会わない

これを破った場合、私を金を全額払う。


「こ、これは……」

「どうした? あんたらにとってはいい契約だろう?」

「しかし……」

「父さん!! こんな奴要らないよ!! 早くサインして!!」


母さんの後押しに、父さんは渋々サインする。


「契約成立だ、破ったら、どうなるかわかってるな?」


冷たい視線が、家族を睨みつける。

こうして僕は、龍堂時さんの嫁になった。

付き人のお兄さん、鬼童さんに支えられ、家を出た。

車に乗ると、龍堂時さんが抱きしめてくる。


「えっと、龍堂時さん「和真でいい」和真さん、まず、お友達からと言うことでは……?」

「待ちきれなかった、それでいいだろ?」


そう言うと、和真さんは僕にキスをする。

僕は驚いたが、嫌な気持ちはなく、それを受け入れる。


「やれやれ、春ですねぇ」


鬼童さんは、アハハと笑いながらペダルを踏んだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ