第三話
前回のあらすじ!!
僕は樋口真!! 居酒屋でバイトしてます!!
この度、怖いお兄さん化から、求婚を受けました!!
今、混乱中です!!
「えっと、あの……!!」
手を握られたまま見つめられている。
「どうだろうか?」
お兄さんは、僕の返事を待っている。
どうしようと、考えていると――
「いい加減にしなさい。」
スパーン!! ともう一人のお兄さんが、怖いお兄さんの頭を叩きました。
怖いお兄さんは、痛さのあまり、頭を抱えています。
「すみません、店員さん、いきなりでビックリしたでしょう。」
「あ、いえ……。」
「亮……!! てめぇ、何しやがる……!!」
「あのですね、いきなり求婚はダメだと、あれ程言ったでしょう。」
亮と呼ばれたお兄さんは、怖いお兄さんに説教している。
お兄さんは、顔をしかめながらも、何とか納得したようだ。
「すみません、自己紹介もなしに、私は鬼童亮、こちらは龍堂時和真と申します。」
「あ、はい、樋口真です……。」
「いきなりなのですが、こちらの和真さんが、貴方に一目ぼれしてしまいまして。」
亮さんの言葉に、僕は言葉を失った。
こんな僕に、一目惚れする人がいるなんて……。
「おい、亮、そんないきなり言うと、引かれる……。」
「大丈夫みたいですよ? ほら。」
和真さんが僕の顔を見る。
今の僕は、嬉しさと恥ずかしさで顔が真っ赤になっていた。
「樋口―!! 運びいいかー!?」
後藤さんの呼び声に、僕は我に返る。
「す、すみません!! すぐに行きます!!」
僕は二人に一礼し、現場へと戻って行った。
和真視点
「若、いきなり求婚するなと言ったでしょう?」
「別にいいだろ、結果オーライだ。」
亮の言葉に、俺は腕を組んで返事する。
しかし、顔を赤くしていて、可愛かったな……。
「若、変なことを考えていないでしょうね?」
「あ? あいつには和服が似合うと思っただけだ。」
「それを、変なことと言うんですよ……。」
亮がため息をつく横で、俺は注文したビールを一気飲みするのだった。
「さて、次を注文するぞ。」
「あまり、真さんを困らせないでくださいよ?」
そう言いながらも、注文票を手に取る亮に、解ってると言い、注文する俺達だった。
真視点
皿洗いをしている僕は、さっきの言葉を思い出していた。
『好きだ、結婚してくれ』
こんな僕を好きになるんて、嬉しかった。
ボーっとしていると、手が滑って、皿を割ってしまった。
「しまった……!!」
「樋口、大丈夫か?」
「すみません!! お皿を割ってしまいました!!」
「気にするな、それより怪我は?」
「無いです……。」
そういうと、後藤さんはそうか、と言ってお皿アを片付け始める。
「さっきの客さんに、何か言われたか?」
「えっと、実は……。」
後藤さんに、さっき和真さんに言われたことを話す。
すると、後藤さんはうーんと顔をしかめて、腕を組む。
「言われるのは嬉しいが、いきなりすぎるな。」
「ですよね。」
「だが、嬉しかったんだろう?」
後藤さんの言葉に、僕は顔を赤くしながらも頷く。
すると、後藤さんは、僕の頭に手を置いて撫で始める。
「球根はびっくりるが、先ずはお友達から始めてみたらどうだ?」
「お友達から?」
「そう、そして、付き合うかどうかは、お前が決めればいい。」
な? と言って後藤さんは言う。
僕は、頷きながらも、二人のいるところへ行く。
「あいつにも、春が来たかぁ……。」
何か寂しいな、その言葉は僕の耳には届かなかった。
僕は二人のいるテーブルに行く。
「あの、すみません!!」
「真さん、どうされました?」
僕の言葉に、亮さんが対応する。
「求婚は、まだわかりません、その代わりに、お友達から始めてもいいですか?」
「お友達から?」
僕の発言に、和真さんは目を丸くする。
そして、ニコッと笑うと――
「それからでもいい、連絡交換してくれるか?」
「は、はい!! よろしくお願いします!!」
僕と和真さんは連絡交換をすることにした。
「それじゃ、これからよろしくな。」
「はい!!」
こうして、慌ただしい一日が過ぎって行った。
和真視点
「イヤーどうなることかを思いましたけど、良かったですね、若。」
「あぁ。」
車の中で、俺は真の連絡先を見て、ニヤニヤしていた。
「全く、いきなりの求婚はびっくりしましたよ。」
「だが、結果的には仲良くなっただろ。」
「そうですけど、そうじゃないというか……。」
はぁ、とため息をつく亮に、俺はフッと笑う。
これから落としていくから、覚悟しておけよ?
そう思いながら、事務所へと戻っていく。




