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元天才子役だった俺は平穏な高校生活を謳歌したい  作者: 86
第3章

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第129話 かけがえのない友人

「あはははは、負けちゃったな。いやーみんな速いね」


 そう笑いながら言葉にするのはちょうど今プールから上がった我が部が誇る完璧イケメンの天童海斗。


 海斗は負けたにも関わらず、キラキラと輝く笑顔を周りに振り撒いて通りすがりの女子たちの目を釘付けにしている。


 これが水も滴るいい男ってヤツか。


「よっしゃぁぁぁ!天童には勝ってやったぜ!!」


 そんな海斗の爽やかな様子とは対照的に先にプールから上がっていた千影が両腕でガッツポーズをしながら喜びを表現している。


 なんか勝手に海斗のことを敵対視していたようだが、海斗には完璧にスルーされている。


「お前ら、おっせぇな。もっと体鍛えねえといけないんじゃないか?」


 俺も海斗に続きプールから上がると、もう待ちくたびれたとでも言いた気な顔した荒井が腕を組んだ状態でじっと俺たち3人に目を向けてくる。


 これに関しては言わなくても分かると思うが、今回の勝負に関して1位は荒井だった。


 というか荒井の圧勝だった。


 流石脳まで筋肉で出来てるやつは俺たち凡人とは違った。


 そして荒井の隣で苦笑いをしているのが風間秀。


 今回2位だった男だ。


 こういう言い方は悪いと思うが、普段の様子とか見てるととても海斗や千影に運動神経で勝てるとは思えないが、まぁ常日頃から海斗とツルんでいる以上、彼もまた普通ではないのだろう。


 いや違うな。他の2人のせいで霞んで見えてはいるが、風間は器用貧乏タイプ、それも常人よりも大体のことは平均以上でこなせてしまうんだろう。


 これは風間に関しての新たな発見だな。


 そんな事を頭の中で考えていると、海斗からニコッと笑顔を向けられて親指で屋台の方を指差される。


「じゃあ行こっか」


 あぁ、そうだった。


 呑気に皆の事を観察していた俺だったが、残念ながら俺は今回の勝負では最下位。


 海斗の言葉に対してコクッと頷いてから敗者2人で虚しくも店の方へと足を向け全員分の昼飯を買い出しに行く事にした。


 俺と海斗は皆の元を離れて、少しの間無言が続いていたが突然海斗が口を開けた。


「そう言えば、湊にも苦手な事ってあったんだね」


 そう笑顔で口にする海斗だったが、俺は首を傾げる仕草をして聞き返す。


「……何言ってるんだ?俺は苦手な事ばかりだぞ」


「んー、そうかな?僕が知ってる湊はそう苦手なものある感じじゃないけど」


 こいつは一体誰の話をしてるのだろうか?


 いつの間に俺はこいつの中でこんなに評価される人間になったんだ?


「いやいや、普通に勉強も苦手だろ、俺」


「んー、確かにそうだったね」


 こちらに一瞬視線を向けた海斗は俺の正論に対して苦笑いをする。


 しかしすぐに真剣な目へと変わり「でも……」と言葉を続ける。


「少なくとも僕の知ってる星宮湊は身体能力でそこまで苦手な事があるとは思えないからさ、水泳で僕が君に勝てた事は意外だったんだ。僕は2年前までカナヅチだったからね」


 こいつも皆が思ってるほど完璧超人なんかではなく、ちゃんと苦手な事はあったんだ。


 そう思うと少しだけ親近感が湧いてくる。


「それで結局何が言いたいんだ?」


「……いや、さ。実は君、さっき手を抜いていたんじゃないかなって思って」


 ……こいつはやっぱ鋭いな。


 実際、俺はさっきの勝負で手を抜いていた。


 と言うのも深い理由なんか特にない。ただ本気でやるのが面倒臭かっただけ。


 別に本気でやる人を馬鹿にしているというわけではない。逆に物事に本気で取り組めるのは凄いことだと尊敬する。


 ただし俺はあまり疲れる事が嫌いだ。


 昔に比べて怠惰になったとでも言うべきだろうか。


 だからさっきの水泳勝負でもタイムを意識せずに自分のペースでゆったりと泳いでいた。


 まぁその結果こんな風に海斗と2人で昼飯を買いに出掛けているわけなのだが。


「まぁ湊がなんでさっき手を抜いていたかは追及しないけど、何か理由があるなら相談してね。湊は僕にとってかけがえのない友達なんだからさ」


 こいつの笑顔が眩しい。眩しすぎる。


 残念ながらこいつが思ってるほど大層な理由がないのか少し恥ずかしい。


「ま、まぁ、その時が来たら真っ先に相談するよ」


 俺はそう言葉にするのが精一杯だった。


 最後に心の中で、そんな時は来ないだろうけど、と付け加えておくのも忘れずに。


「うん!」


 海斗は最高の笑みでそう頷き返してくる。


 周りにいるお姉様方の見惚れたような目が海斗に吸い寄せられているのも分かる。


「……さっさと行くぞ、海斗」


「あはは、そうだね」


 俺は何故だが少し顔が赤くなったが、気にせず海斗に声をかけて店の方へと足を向ける。


 道中お姉様方から何度か逆ナンにあったが、俺がなんとか間に入ってボディーガードの如く海斗の事を後ろで守りながら逆ナンを断るという場面にも遭遇した。


 その度に俺が陰キャだのなんだの言われて馬鹿にされたが、今度は海斗の口から普段では想像もつかないような罵倒の数々が飛び出してお姉様方を追い払っていた。


 俺の容姿も比較的良い方だと自負していたが、お姉様方からは散々貶されて少しだけ落ち込んだ。


 でも今日海斗俺の事を思って普段はしないような反撃をしてくれて少し嬉しかったのは俺の心の中だけで留めておこう。


 海斗は俺にとってかけがえのない友人なのだ。

皆様、あけましておめでとうございます!そして今年もよろしくお願いします!


2026年最初の投稿です!!

そして久々の投稿でもあります!!

普段後書きなどはあまり書かないのですが、最近は投稿遅れる事が多くて謝罪の為後書きを書かせていただいています!!

これからもこの作品の応援をどうぞよろしくお願いします!!!!

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