お題 「コロナ・ラーメン・信号」 1
鏡の前に立って、三十二ミリのコテアイロンで髪を巻いていく。流行りの前髪カールがいい感じ。メイクもバッチリキメて、お気に入りのワンピースに身を包む。
身なりとは裏腹に、昨夜食べたカップ麺が置きっぱなしになっている、それを見て見ぬふりをし、香水を普段より多めにつけ、先週買った新しいヒールで家を出た。
今日は婚約者とのデートだから張り切ってるんだよねうんうん浮かレるよねエ彼とても素敵だもの私大好きだったでモそれを知って簡単に横取りしたよネ私の下唇を噛んで笑う癖を笑ッテそこから虐めが始まッて貴方は女の中のリーダーで制服隠しタり教科書破イタり本当に許さないエスカレートする虐めに耐えられナクて自殺までシたのにお前は大好きナあの人と今でモ付き合って来月結婚式デあア許せない決してやル消シテやる消してヤル消シテヤル消す消スノロってやる呪う呪ウ殺す殺ス消すケス消ス消ス!!!
「絵里奈!」
一ヶ月後、彼と私は結婚式の打ち合わせの為待ち合わせをしていた。
「コロナ騒動もやうやく落ち着いて、何とか式を挙げれそうだね。体調が最近悪かったみたいだけど、大丈夫か?」
彼が優しく聞いてくれた。
「なんか最近怠かったんだけど…今日は元気!式の打ち合わせだもん」
そいつは頼もしい、と彼は頭を撫でてくれた。
信号の青が点滅してきて、彼は少し速足になる。私は下唇を噛み、微笑みながら彼に憑いていった。




