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お題 「お風呂・夜・夏」 3
僕には、お父さんもお母さんも居ない。殺されたのだ。
親戚も居なくまだ幼い僕は、独りで生きていくしかなかった。
一日一日を一死で生きていく中、不安な事があった。
両親を殺した犯人は捕まっていない。という事は、僕もまた狙われているかもしれないのだ。
次第に僕は、あまり目立たぬよう生活するようになった。
お腹が空いたら、なるべくファーストフード店のゴミを漁り、時には戸締りが緩い家に忍び込み、食べ物を貪ったりもした。
夏らまだ食べ物が豊富だけど、冬は堪えた。何処か暖かい場所を必死に探し、じっと一日が終わるのを待つ。殺しにくる「誰か」に怯えながら。
来る日も来る日も、生きる為に食料を探し、安全な場所で眠る。この繰り返し。
いつしか僕は大人になって、それなりに体も成長してきた。武器はないが、子供の頃よりは殺害者に怯えなくなった気がする。
お腹が鳴った。もう慣れたもので、この地域の戸締りの緩い家は大体把握している。
向こうから、シャワーの音が聞こえる。僕の中で、狙える家の一つだ。今がチャンス。
朝から何も口にしていなかった僕は、テーブルの上の食べかけのメロンパンを見つけると、迷いなく一心不乱に頬張った。
瞬間、シャワーの音が止み、お風呂場から女の人が出てきた。
見つかった!
「キャアーーーーー!!!」
カサカサカサカサカサカサカサカサ




