乗客のマナー悪化が目立つようになってきた
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17時35分に金沢駅を発車する521-34の車内にて。
クハのお手洗いから出ると、三人の中学生が目に入ってきた。
「そんでさ~…」
その三人は周りのことなんて気にせず話していた。アナウンスとかでリュックは前に抱えたり、床に置いたりしてくださいって言われてるのに。
しかもつり革にまでぶら下がる始末。つり革が千切れたり、つり革を支えているポールが折れたりはしないだろうけど、これはさすがにダメだって。
「他のお客様の迷惑になるのと、つり革が壊れてしまうのでぶら下がるのはおやめください」
「「「……」」」
注意すると、露骨に嫌な表情をされた。その表情をしたいのはこっちなんだけど……。
なんで注意しただけで疲れるんだろう。34って2次車の中では新しい方だけど、もう製造されて二十年は経っている。各所にガタが来ていてもおかしくないよね。
運転室でそんなことを考えていると、背後からギシッと音が聞こえてきた。まさか…。
「…またやってるよ」
今度は別の中学生がつり革を支えるポールにぶら下がっていた。さすがに僕の視線に気づいたようで、すぐにぶら下がるのをやめた。
壊したらどうするつもりなんですかねぇ。言い逃れしようとしても防犯カメラがあるから無理だし。
それにしてもあの制服…あ、【プライバシー保護】中学校の制服か。どこかで見たことあると思ったら、途中の駅でよく降りていくからだ。
確か中条さんって高校教師をしていたよなぁ。たまに中学校の様子を見に行っているようだし、ちょっと伝えておこうか。
「あ、もしもし?今大丈夫?」
『珍しいですね、翫さんから電話なんて』
「ちょっと連絡しておきたいことがあってね……」
その日の夜、僕は自分の部屋で中条さんに電話をかけた。2コールで電話に出てくれた。
「実はさ、最近マナーの悪い中学生が目立ってきてさ」
僕は制服の特徴を伝えると、中条さんは電話越しに頭を抱えているような気がした。
『はあ…いやあ、ね。今担任してるんだけど、クラス中からそういう話題が来るんですよ。ついに公共交通機関にまで迷惑をかけるようになっちゃったかぁ…』
少し前からそういう話はあったようだ。
「なんでそういう風になっちゃったんだろうね?」
『散々、マナーとか教え込まれてるはずなんですけどねぇ…それを無視するんですよ。そういう年頃だし』
それを聞いて思い出した。醤油ペロペロとか、鳥居に登るだとか。あれは普通に頭■っちゃってると思う。
『あとネットの影響も少なからずあると思いますよ』
「へえ」
『まあ、あくまで個人の意見なんですけどね。ひとまず、そこの中学校には連絡しておきます。教頭とは知り合いなんで』
「え、人脈すご」
『普通に呑み仲間なんですよ』
教師ともなれば、いろんな学校と関わりを持っていくからだろう。
中条さんと知り合いでよかった。今度何か渡した方がいいかもしれない。
今のご時世、些細なことで燃え広がりますからね。




