03系に会いに行く・3
あさでんまつりを十分に楽しんだところで、いよいよ自分自身で運行している03系に乗車しよう。ついでに金沢駅まで行って昼食でも食べよう。
「え~と……北鉄金沢駅までは400円か」
券売機で北鉄金沢駅までの切符を買い、すぐ側のベンチに座った。03系が到着し、準備が整ってからじゃないとホームには入れないらしい。
こうなることを予想していたので、カバンの中にラノベを入れてきた。
「……あれ?」
カバンの中には『微分積分』の教科書が入っていた。これ高校で使ってたやつやんけ……!間違えて持ってきちゃったんだな。
「仕方ない、暇つぶしにでも読んでみよう」
結果:よく分からん。
あんまり使う機会がないからなぁ。
浅野川線の駅は全部で12か所。全長6.8 kmの路線だ。ちなみに単線である。この会社はバスも運行していて、金沢市内ではよく見かける。
そこで独自のICカードが使える。僕も持っているけど、初めて利用するから『切符でいいや』となった。購入してから後悔している……。
「どうぞご乗車ください」
内灘駅に03系が到着して数分後、ようやく乗車する時間がやってきた。
切符を駅員さんに手渡すと改札鋏で穴を空けてくれた。ここに自動改札機なんてものは置かれていない。まぁ、このスペースだとねぇ……。
にしても、主電動機とか台車を廃車となった中間車から流用するとは……エコだね。
三ツ屋駅まで乗ってみて分かったことがある。
途中の駅で乗車する客がいない、さらに降車する客もいないと分かったらすぐに発車する。
本当に一瞬だ。ドアが開ききってないのに閉めてすぐさま発車するんだから。やっぱりうちとはやり方が違う。
あとコーナーの角度がまあまあある。レールと車輪が擦れる音が車内によく伝わってきた。うちは元々サンダーバードとかしらさぎがスピードを出して走れるようになっているので、コーナーの角度は緩い。だから車内が静かだ。
『めちゃくちゃうるさい』というわけではない。むしろ僕みたいな人からしたらご褒美だ。
ちなみになぜ『三ツ屋駅』で語っているのかというと、ここで内灘行きの03系とすれ違うからだ。
「お、来た来た」
反対側から銀色の帯を持った03系が走ってきた。さ~て、製造番号は……。
グオッ
「ぅぉ」
製造番号を確認する暇もなく、今乗車している03系は発車した。
「まあいいか。『銀色の帯』ってだけでも大きな手掛かりだし」
乗車してだいたい二十分、終点の北鉄金沢駅に着こうとしていた。
キイイッッッ!!
黒板をひっかいた時に似た音が聞こえてきた。思わずイヤホンのボリュームを上げてシャットアウトした。
車内の様子を見てみると、誰も動揺することなくスマホを見ていたり、普通に会話していた。良くも悪くも現代人……。
『まもなく、北鉄金沢。北鉄金沢です…』
「あれ、こっちも銀色の帯だ…」
これから内灘方面に向かう03系も、さっきすれ違った03系と同じ帯の色をしていた。夢でも見てるのかな……いや、複数あるからだろう。
ここ北鉄金沢駅でも自動改札機は無く、三人くらいの駅員さんが立っていた。
「ありがとうございました~」
駅員さんが持っていたカゴの中に切符を入れ、エスカレーターに乗って地下から出た。
金沢駅の地下って『8番出口』みたいな雰囲気があるんだよね。
「やっぱりこの時間は混んでるよな~…」
時間は正午を少し過ぎた辺り。どこを見ても人だらけだった。
「結局待つことは確定してるから、適当に店見つけて並ぼう」
というわけで昼食は中華そばにした。あの店名を見た時に681系がフワッと頭に思い浮かんできた。




