表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/97

03系に会いに行く・1

 五月初旬。僕は休みを取った。

「小銭はある、袋も持った」

「かなで、準備できたか?」

「出来たよ。いつでも行ける」

 カバンを持っておじいちゃんのムーヴの助手席に乗り込んだ。

 今日は内灘で『あさでんまつり』が行われる。それに向かうために休みを取った。

 浅野川線が主体のイベントだけれど、実はうちの会社もキーホルダーなどの販売をしている。だから内灘駅へ行ったら同僚にバッタリ会えるかもしれない。

「そんなカバンで大丈夫か?」

「廃材を買うわけじゃないから大丈夫だよ」

 浅野川線は使わなくなった廃材を販売している。初めて向かうから何があるのかは知らないけど。

 8号線を走って内灘へ向かっていると、おじいちゃんが聞いてきた。

「お目当ては何かあるのか?」

「やっぱり03系だよ。まだ見たことがないからね」

「それは新しい車両なのか?」

「ちょっと前に浅野川線に入ってきたけど、製造されてから三十年は軽〜く超えてるよ」

「へぇ、時代は変わったんだな」

 まあ……お下がりだし。


 内灘駅まで送ってもらうと、ホームに03系が停まっていた。

「これが……こうやって見るのは初めてだなぁ」

 03系はそのまま内灘駅を発車していった。

 ……会場はどこにあるの?そう思って駅員さんに尋ねてみた。

「ああ、あさでんまつりならそのオレンジ色の(のぼり)に沿って歩いていけば着きますよ」

「ありがとうございます」

 駅員さんに言われた通り、オレンジ色の幟に沿って歩いた。横には車庫があったけど、僕はそれよりも別の場所に興味が向いていた。

「これ、線路だ」

 車庫と道を分けるように設置されていた柵が線路でできていた。支柱の形がまんまそうだった。茶色く錆びていても分かる。

「有効活用……しっかりしてるね」

「廃材購入の整理券配布はこちらで~す」

 少し離れたところで、駅員の女性が整理券を配っていた。

「よろしければ」

「あ、いえ、僕は廃材は買わないつもりなんで」

 そう言って僕は中に入れる時間になるまで待機した。おじいちゃんにも言ったけど、廃材は買わない。絶対。重要なことなので二回言いました。

 それにしても……。目の前には行列ができていた。これ、全員が廃材目当てなんだろうか。

「そりゃマニアックなファンもいるよね……」

「お待たせしました。今から『あさでんまつり』を開催します」

「来た……!」

 僕は速足で会場に入り、展示されている03系を見つめた。左上の番号は『03130』と書かれていた。

「写真撮って!」

 その03系の前で、男の子がピースサインをしていた。僕も昔はあんな感じだったよ。

「おお……」

 車内に入る前に、僕はスマホのカメラで台車を撮影した。ところどころの形状は521と似ていた。

 ネームプレートには『住友金属』の名前が刻まれていた。そこだけは分かったけど、それ以外の部分は剥がれ落ちていて分からなかった。

「仕方ないよね、古いし」

 ステップを登って03系の車内に入ると、古さを感じさせないほどの白さだった。いや、近くで見れば塗装の剥げや汚れが見えるけれど、これは状態が良さそうだ。

 あとしっかり涼しい。ここ重要。

 130の反対側は830で、そこではシミュレーターが体験できるようだった。でも僕は130側で行われる運転士のなりきり体験に向かうことにした。

 え、『本物の運転士じゃないか』って?……浅野川線の運転士じゃないですよ。

「どうぞ」

「ありがとうございます」

 浅野川線の運転士(らしき人)から帽子を渡された。サイズはピッタリだった。

 運転室は521とは違って緑色だった。青色の座席に座ると、左上にいろいろなスイッチ類があった。

・制御

・戸閉連動 連↔非

・回生開放

・限流値増 通常切

・列車無線

・耐雪ブレーキ

・デフロスタ

・ブレーキ遠隔開放

・制御開放

・起動試験

『デフロスタ』って何だろう?と思って調べてみたら『デフロスタ―』のことだった。『ー』が入りきらなかったのかな…?

 でも『モーター』が『モータ』になってたり、『ドライバー』が『ドライバ』になってたりもするから、それと同じなんだろうなぁ。

 速度計のスケールは120 km/h。521よりもスケールが小さい。でも浅野川線でそんなスピードは出せないからこれくらいでいいんだろう。

 後ろの装備を見たくて振り返ると、子供たちが列を作っていた。それを見てすぐに運転席から立ち上がった。

「どうもありがとうございました~」

 帽子を次の子供に渡し、03系から降りた。

「さて、次は……あの中に行ってみよう」

 内灘駅の横にある車庫。そこもあさでんまつりでは解放されていた。

 そろそろテストなんで投稿頻度下げましょうかねぇ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ