バードストライク
【閲覧注意】
「今日もお疲れ様」
車両所にて、僕は一仕事終えた521-38をねぎらっていた。長い距離を走ってきたので汚れがびっしりだ。
「後で洗車してもらおうね~」
そう言いながら点検をしていると、スマホに着信が入った。それは輪嶋くんからの連絡だった。
「もしもし?」
『翫先輩、大変です……』
「どうしたの?元気なさげだけど」
『鳥…』
そこで通話が途切れてしまった。
「鳥……?焼き鳥でも食べたいのかな?」
今日はいつもより早く521-26が車両所に戻ってきた。
「どうしたんだろうね?」
「制御系の故障でしょうか?」
「10ならまだしも、26だよ?」
ミズハと共に様子を見に行った。
ちなみに輪嶋くんは通話が切れた後、病院に運ばれて診断を受けたらしい。それだけショックなものを見た。それが……。
「うわっ…」
「べったりですね」
クハ520-26の進行方向から見て右側、転落防止幌の後ろからトイレがある辺りまで血がべったりついていた。さらに、クハの一番前のドアには羽毛までついていた。
「バードストライクして、輪嶋くんはそれを見てしまったから気分を悪くしてしまった……」
「その説が一番可能性が高いですね」
「……さすがにこの状態じゃあ、人を乗せることはできないし」
だってあまりにも生々しいから。
「お~、こりゃ派手に汚れてんな」
僕たちが一通り確認し終えた後、区長がやってきた。
「翫くん、穴埋めに98を使うけどいいかな?」
「な、何で僕に聞くんですか?」
「だって専属の運転手でしょ?」
確かに98を運転する回数は僕がダントツだ。他の運転士からは『妙なクセがある』とか『運転しづらい』と言って乗りたがらない。僕はそんなもの感じないけど。
でも98は僕の自家用車じゃない。会社のものだ。
「冗談だって!」
「ですよね~……」
最近の子にはやらない方がいいですよ、って言っておこう。
仕事終わりに輪嶋くんの様子を見に行った。
「こんばんは〜」
病室のドアを開けると、輪嶋くんが起き上がってテレビを見ていた。
「あ、翫先輩...」
「体調はどう?」
「なんとかマシになりました。ただ、目を閉じるとあの光景がフラッシュバックしてしまって」
「日が経つにつれて消えていくよ。だから大丈夫」
「...先輩はバードストライクの経験、ありますか?」
テレビの音量を下げて輪嶋くんが尋ねてきた。
運転士になって四年くらいが経つけれど、まだバードストライクに遭ったことがない。
「そうですか...やっぱり僕は悪運が強いんですね」
「退院できたら神社でも行く?」
「...そうします」
その後は輪嶋くんのシビックの話をして病室を後にした。
「どうでしたか?」
駐車場に戻ると、カローラスポーツの中で待っていたミズハが聞いてきた。
「あの調子ならすぐに元に戻ると思う。けど、ケアは続けていくつもり」
「なら、私もケアをしていきます」
「え、ミズハも?」
「はい。一応は先輩なので」
「...僕も先輩だけどさ」
それから二日後、輪嶋くんは仕事に復帰した。その日は僕も付き添って521-26に乗った。
26に付着していた血飛沫は洗車機で落とされた。手作業で行うのは大変なので、専用の洗車機を使っていた。
え、なんで知っているかって...そこまで僕が運んだから。
\ \\ \ \\ , ェェェェェェ、\ \\ \
\\ \\ \ \,ィ三三三三三三ヽ. \\ \
\\\ \\, -‐≦三三三三三三三三三ヽ \\
\\\ / ィエミ ヾ三三三ツ" ̄`ヾ三ヲ\ \\
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