キヤ143形
JR北海道にある『キヤ143形気動車』とは無関係です。
この車両は国鉄(『日本国有鉄道』の略)時代に誕生した『DD15形』や『DE15形』といった除雪用のディーゼル機関車から置き換えるために製作された。
『DD15形』も『DE15形』も、国鉄時代の機関車なので老朽化が進んでいた。さらに機関車の運転士が高齢化して運転技術の継承が難しくなった。そのような要因が重なり、『電車や気動車と同じ操作体系の除雪車がいい』という声が上がっていった結果、この『キヤ143形』が生まれた。
「この板で雪をかき分けていくんですね」
キヤ143形には車体と同じ色の『朱色4号』で塗られたラッセル翼が取り付けられている。
「電車は車と同じで左側通行なんです。なので雪が進行方向から見て左側に押し出すようになっているんですよ」
「あ、本当ですね!」
この除雪方法はうちのような複線区間で行われる。七尾線のような単線区間では真ん中を尖らせて、両側にかき出していく。キヤ143形が生まれる前までは『単線用』の除雪車と『複線用』の除雪車が必要だった。『技術は進んだねえ』と区長がしみじみと呟いてたっけ。
乗務員室は前にも後ろにもある両運転台形式で、運転士と除雪作業員の滞在スペースとなっている。一部は水に濡れてはいけない機械のための機器室になっている。ちなみに後位の乗務員室にはトイレが設置されているからありがたい。
運転台は521系と同じように左側に設置されているが、右側はラッセルを動かすための操作卓が設置されている。運転設備はほぼキハ189系……特急『はまかぜ』と同じだ。
「ん?これって『旋回窓』ですよね?」
「そうです」
旋回窓は、付着した水滴や雪を振り飛ばして、乗員の視界を確保するための装置だ。原理は洗濯機の脱水機能と同じ…らしい。脱水機能はあんまり使ってないんだよなあ……。
「この奥は機関室になっています」
機関室には軽油で動くディーゼルエンジン、液体変速機、ラジエーターが積まれている。床板を張っているので防水、防塵設計だ。
「パワーはどれくらいなんですか?」
「450馬力です。確か…F82型の『BMW M4』くらいでしたっけ?」(『コンペティション』の場合です)
「普通車じゃありえないパワーですね」
「ただ、521系や683系のような空気を受け流すような設計にはなっていないので、そんなに速度は出ませんよ」
全面で風を受けにいく形をしてるから……。
「いやあ、除雪車も興味深いですね!」
じ、除雪車まで知るのは大変な気がする。僕だってちょっと曖昧だったから。
本当に時間がないです……




