車両を紹介する仕事
キハ120形を見た翌日のこと。
「翫くん、実は東京のテレビ局から取材の申し込みがあってね……」
「え、僕ですか?」
「違う違う。取材を受けるのはうちの車両だ。その紹介役を君に任せたくてね」
「……とんでもなく重要じゃないですか」
「君は整備士並みに詳しいじゃないか。だからなんだよ」
「ちなみに、いつ頃に取材を?」
「え~と……十二月中旬の予定だな」
意外とすぐだった……でも、この機会を使えば521やデゴイチの凄さを伝えられるかも?
「分かりました、引き受けます。何を説明すべきかな……」
「業務に支障がない程度に頑張ってくれよ!」
そしてやってきました十二月中旬。今にも雪が降り出しそうな空模様だ。
本来なら僕が運転するはずだった521-22はミズハに任せてある。
『お互いに頑張りましょう!』
予定を伝えた時にそう言われた。目が生き生きしていた……アンドロイドなのに?
「萩谷さん入られます!」
駐車場に停められたロケバスから一人の男性が降りてきた。
彼は『萩谷 季夜』という俳優。僕と同い年で自ら鉄道が好きなことを公言している。豊沢さん、会ったことあるのかな。
「あなたが、翫さんですね?」
「そ、そうです」
「初めまして、萩谷です。今日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
挨拶をしてくれなかったらどうしようかと思ってたけど、この一瞬で気付いた。普段は優しい人だ。映画やドラマで演じる役が悪人多めってだけだ。
「撮影は一時間後から……」
「いや、今からでも大丈夫です。雪が降る前に終わらせましょうか。それに……翫さんに風邪をひいてもらっては困りますから」
「……?」
ということで、撮影はすぐに始められることになった。
この番組の内容はローカル線を中心に都道府県の魅力を伝え、地方の活性化を目的としている。北は北海道、南は鹿児島まで、幅広い地域が今から僕がするみたいに紹介していく。
僕は車両の紹介だけを任されている。県の紹介は別の人が担当だ。
「まもなく撮影です」
「は~い」
さぁて、やったりますか。
「さあ、僕は今石川県に来ております。え~、あいにくの曇りです!いや~、晴れ男だと思ってたんですがね……」
萩谷さんがカメラに向かって前置きを語っていた。芸能界で働く人ってすごい。
「……というわけで、今回紹介していただくのはこちらの方です!」
「普段は521系を運転しております翫です。今日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします!ところで521系とは?」
萩谷さん、本当なら知っているはずなのに知らないふりをするのが上手だ。
「では早速向かいましょうか。車庫の手前で車両たちが待っています」
僕たちは車庫がある方向へ向かった。そこには。
「おお!」
「こちらが、現在活躍している車両たちです」
左から521系、681系、キヤ143形気動車、キハ48形気動車、D51形蒸気機関車がズラリと並んでいた。それを見た萩谷さんやテレビクルーたちは声をあげた。
521系は『空走列車』とまで言われた例の521-98、681系はラナドールさんと運んできた個体、キヤ143形は真冬の深夜に走り出す除雪車、キハ48形は『花嫁のれん』として和倉温泉駅まで走る観光列車、D51はスノープラウのついた522号機である。822号機には冬は厳しそうなので……。
「こ、こんなに……ちょっと予想外でした」
「僕は521系しか運転しないですけど、ある程度は知識が入っていますよ。では早速中へどうぞ」
よし、じゃあ521から順に見ていこう。
この後は、
521系→681系→キヤ143形→キハ48形→D51形
の順で進行していきます。
ただ、執筆する時間がなくて……投稿頻度はあまり期待しないでください。
提出物が多いんです。




