ハロウィン(同窓会)・2
人数が多いので「」の前に名前を書いてます。
料理は税込み4,400円のコースを人数分頼んでおいた。翫がメイドを連れてくるのなら、もう一セット用意したのに。
と、思っていたのだが。
福住「おやぁ?翫くん食べないのかい?」
翫「ちょっと食欲がなくて……。最近仕事ばっかりしてるからかな」
福住が料理に手をつけない翫を不思議そうに見た。料理は全てゴスロリ少女に渡しているのだ。
宝田「しっかりしてくださいよ翫くん。この中では数少ないまともな人物なのでね!」
小村「だぁれがまともじゃないってぇ!?」
宝田「だ、誰も言ってませんよそんなこと!?」
俺(桑本)「小村、もうビール三杯目だろ。飲み過ぎは体に悪いぞ」
小村「こぉでもしないとやってけないんですよぉ!……かぁ~、おかわりもういっちょ!」
翫「オノマトペ……WACCA……うっ」
豊沢「だ、大丈夫?」
翫「だ、大丈夫。ちょっと思い出してただけ」
少女「………」
翫「お手洗い?いってらっしゃい。すぐそこにあるから」
豊沢「じゃあ私も……」
メイドと豊沢が一時離席。
藤原「……おいしい。味噌ってこういう料理にも使えるんだなあ」
中条「喜久田くん、烏龍茶頼む?」
喜久田「………(小さくうなずく)」
翫「そういえば、池戸さんは昨日も仕事してた?」
池戸「ど、どうして」
翫「新幹線の切符売り場で『あれってそうかな?』って思ってたんだよ」
池戸「勝手に見つけないでよ!恥ずかしい!!」
福住「ツンデレなのは変わらないねぇ……」
小村「そういえばぁ、翫と池戸ちゃんだったらどっちが長距離走ってるのぉ?」
翫「圧倒的に池戸さんでしょ」
池戸「そうね、敦賀から東京まで走ってるわ」
翫「逆に僕は富山、福井、石川の北陸三県だけ。それにE7系/W7系と521系じゃ速度が違うよ」
小村「それもそっかぁ!」
翫「でもそれなら、豊沢さんは日本全国を周ってるんじゃない?ロケとかで」
豊沢「た、確かに。ついこの前は沖縄でロケの話があって……」
中条「真夏に沖縄かあ。仕事さえなければ……!」
豊沢「でも、別のロケがあったので断ったんです」
福住「え~、もったいない」
豊沢「その時点では断れなかったんですよ」
宝田「走行距離なら、又くんもすごいですよ!」
翫「え、そうなの?」
宝田「又くんは自動車のWebライターなんですよ!ね?」
俺「……そうだよ。この前は22B-STIの取材と試乗をした」
藤原「それ、限定車じゃなかった?」
俺「そう、400台限定。意外と日本にあるんだな」
宝田「ところで……記事に毎回コメントを寄せてくるユーザーがいませんでしたか?」
俺「え……ああ、『r k t』ってユーザーが熱心に……おい何でそれを知ってる」
宝田「そのユーザー、実は僕なんですよ。初回から熱心に追っていますからねぇ!!」
俺「じゃ、じゃあ、初期の頃に書いてたポエムも」
宝田「もちろん、覚えてますとも!ここで朗読もできますよ!」
俺「言うなっ!」
福住「ねえ、突発だけどさ、恋バナしようよ」
小村「いいですよぉ!」
豊沢「こ、恋……!」
池戸「……別に話すことなんて、ない///」
福住「ん~?顔が赤いですなぁw」
小村「恋の香りがする〜!」
池戸「ちっ違う!」
豊沢「大丈夫、笑わずに聞くから」
池戸「豊沢さん……そこで聖女のスイッチを入れないでよ」
福住「さすが女優」
小村「さすが沢ちゃん」
豊沢「ほら、話聞こう?」
池戸「………隣の部屋の住人」
福住、小村、豊沢「いいじゃん……」
池戸「ただ、向こうが私のことをどう思ってるのか分からないの」
福住「『明らかに途中からしぐさが変わったな』ってことはないの?」
池戸「………ある。数分話すことが日課になってきてる」
福住、小村、豊沢(あ、これガチ恋だ)
池戸「で、でも、それだけで『恋だ』って判断するのは……!」
福住「もう告っちゃいなよ」
小村「さっさと楽になりなぁ?」
池戸「セリフが悪人みたいね……そっ、そういえば、豊沢さんも恋してるんじゃなかったの!?」
福住、小村「kwsk」
豊沢「え……えええぇっ!し、知ってたの!?」
池戸「だって視線がずっと向いてたじゃん……い」
豊沢「わ~!わぁ~!」
宝田「翫くんは恋はしないのですか?」
翫「ん~、今のところは考えてない。僕はリア充を応援する側だから」
少女「……んっっ!」
翫「こらこら、そんなに急いで食べるからだよ。よしよしよし……(少女の背中をさする)」
中条「あれ……宝田くん、その薬指にはめてるのって」
宝田「お、気付かれましたか……そうです、結婚指輪です」
俺「はあっ!?」
喜久田「………!?」
藤原「おめでと~」
宝田「又くん、言ったでしょう?『二股はしない』と」
俺「そういうことだったのかよ……俺より先に……」
翫「だいぶショックを受けてるねこれ」
「桑本さん、もう九時を回ってるけど……」
翫に言われて時計を見てみると、針は九時をとっくに過ぎていた。もうそんなに経ったのか。
「もういい時間だな。よし、そろそろお開きにするか」
「締めの挨拶、僕に任せてもらっていいかな?」
「別にいいけど……?」
普通は言い出しっぺの俺がしなきゃいけないんじゃないか?
そう言おうとしたが、既に翫はやる気満々のようだ。
「じゃあ、先に車の用意しておいて」
翫が少女に対してそう言うと、少女は小さく頷いて部屋から出ていった。
翫「え~、最後に皆さんにお知らせがあります」
小村「お、結婚報告ぅ?」
豊沢「!?」
福住「なんだろね~」
池戸「………」
中条「悲しいお知らせじゃないといいけど……」
喜久田「………(期待)」
宝田「僕は心の準備が出来ていますよ!」
俺(な、何だ?)
藤原「楽しみ楽しみ」
全員が翫の方へ向いたとき、翫はこう口にした。
「僕、実は『翫 かなで』ではありません!」
「何で気付かないのかな………」
部屋の入り口から声がした。
そこには翫が立っていた。目の前の翫と瓜二つだ。
宝田「え、ええっ!?ど、ドドドドッペルゲンガー!?」
小村「……飲み過ぎたかも」
福住「え、え、え、噓でしょ?」
池戸「じゃあアンタは誰なのよっ!?」
豊沢「い、翫さんが二人……!」
喜久田「………、………!?」
中条「確かに、一卵性双生児かも……?」
藤原「ほえ~」
俺「あ~もうワケ分かんねえ」
急展開に、俺たちはついていけなかった。




