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6-1

翌朝、ジュンとルイーザは騎士団の宿舎に向かい、セトから作戦の説明を受けた。


「これから鶴小島の街に向かってもらう。無理に戦う必要はない。突入の準備が整えば、あとはこちらで対処する。」

セトの言葉に、ジュンは軽く笑って返した。

「わかってるさ、無茶はしないよ。な、ルイーザ。」

「ええ、私も慎重に動くわ。」

「慎重ねえ。あなたたちの“無茶しない”は全然信用できないから。」

そこへ現れたのは、医者として同行するウェンディだった。今回の任務では彼らの怪我を治療するだけでなく、無茶をさせない“監視役”も担っている。


「いざとなれば、私の回復術でなんとかするけど、本当に無茶はやめてよね。」

「回復術、覚えたんだ?」

「もちろん! 私にかかればこんなの簡単よ。」

自信満々のウェンディに、眠そうな顔をしたクルールが呆れた声を上げる。

「よく言うぜ。お前、かなり苦戦してただろ。」

「そ、そんなことないわよ!」

「まあ、教えた俺としては、お前がマスターしてくれて助かったけどな。」

クルールは苦笑しつつも、彼女の成長を評価しているようだった。


「クルール、ありがとうな。本当に感謝してる。」

ジュンが礼を言うと、クルールは少し照れた様子で顔を背けた。

「本当は俺も行きたいが、向こうに俺の存在が知られてる可能性がある。邪魔になるだけだ。」

「クルールがいてくれたおかげで、準備は万全よ。あとは私たちがやるだけ。」

ルイーザが微笑むと、クルールは小さく頷いた。


作戦の概要は単純だ。

まずはわざと捕まる。レベルバッジの情報から、低レベル者または一般人として扱われる可能性が高い。拘束されても隙を見つけ、脱出の準備を整え、外部の待機部隊と連携して街へ突入する。多少強引な策ではあるが、状況を打破するにはこれしかない。


「少し大雑把だが…うまくいくのかな?」

ルイーザが不安げに問いかけると、セトは静かに頷いた。

「部下たちの情報を基に考えた作戦だ。成功する見込みはある。」

「大丈夫。何とかなるさ。」

ジュンが自信ありげに笑うと、ウェンディがジト目で睨む。

「“何とかなる”って言い方、全然安心できないんだけど!」

「まあまあ、ポジティブに行こうって話さ。失敗を考えるより、成功させる方法を考えるのが大事だろ?」

ジュンの楽天的な言葉に、ルイーザも微笑む。ウェンディは呆れながらも、彼らのやり方に少し期待しているようだった。


「よし、それじゃあ作戦開始だ! 頼んだぞ、3人とも。」

セトの力強い言葉を背に、3人は鶴小島への任務に向かった。

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