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【20章】目指すは始まりの異界!探検隊ルイーザと不思議な物語  作者: 旅立 マス
5章番外編 きっかけは何でもいい
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光が消えると、ヒロは目の前の状況を疑った。舟堀の街の外に、見たこともない平原が広がっていた。

「え?何これ?」

自分もそうだが、周りにいる人々もこの状況が理解できていない様子だ。


「これはどういう状況なのかな?」

だが、その答えを知る者は誰もいない。ヒロはスマホを確認してみるが、画面には「圏外」の文字が表示されている。当然、誰かに連絡を取る手段もない。


(これって、ラノベでよくある“転生したら異世界”ってやつか?)

自分なりに考えた結論にヒロは内心苦笑した。いや、そもそも死んだわけじゃないから転生でもないか……。もしその設定に倣うなら、街ごと異世界に巻き込まれたって感じか?

「……でも、そんなことが本当に起こるか?」


少しばかり現実逃避をした後、ヒロは我に返る。

「って、現実逃避してる場合じゃないな……」

こんな異常事態に巻き込まれたら、現実逃避したくもなる。けれど、それだけでは状況は変わらない。とにかく情報収集が必要だ。


まず、街の人々から話を聞くべきかもしれないが、皆、目の前の異常な光景に戸惑っている。期待はできそうにない。


ふとヒロは西の方角に目を向けた。自分の知らない街が見える。あそこなら何か手がかりがあるかもしれない。そう考えたヒロは、舟堀の街からその西の街を目指すことにした。


橋を渡る途中、何かがこちらに向かってくるのが見えた。

それは見たこともない生き物と、その背に乗った少女だった。


彼女はヒロには目もくれず、そのまま舟堀の街の方に駆け抜けていく。


「危なっ!」

咄嗟に避けたヒロは、息を整えながら思う。

(あんな生き物を乗りこなすなんて……この世界の人間なのか?)

その姿は、ヒロの知る常識とは大きくかけ離れていた。どうやら、やはりここは自分の世界ではなさそうだ――異世界である可能性が高い。


橋を渡りきると、そこにはRPGゲームに出てきそうな街が広がっていた。

「ここが……」

ヒロは一瞬息を呑む。この状況にあまりにマッチした光景に、かえって現実感を失うような気分だった。


まずは情報を集めなければならないが、気になるのは言葉が通じるかどうかだ。とりあえず、目の前の店らしき建物の前に立っている男性に声をかけてみる。


「こ、こんにちは」

「おう、いらっしゃい!」


――通じた。驚きのあまり、ヒロは固まってしまう。


「……その反応を見るに、どうやらお前さんはこの世界の住人じゃなさそうだな?」

男性はヒロの様子を見て、すぐに見抜いたらしい。このおじさん、ただ者ではない。


「分かるんですか?」

「お前さん、さっき俺と言葉が通じたことに驚いてただろう。それは異界のことを知らない証拠だ。この世界にはな、別世界からやって来る者がいるんだよ」


ヒロは驚きを隠せなかった。この世界では、異世界間の交流が当たり前に存在しているというのか。


おじさんはさらに続ける。

「けど、俺たちの街もどうやらどこか別の世界に飛ばされたらしいんだ。ここがどこかは、まだ分かっちゃいない」

「そうなんですか……」

「ま、ここの場所くらいは教えてやれるさ。ここはリフィリア王国だ。そして、さっきお前さんがいた街――あれは、お前の世界の街なんだな?」


ヒロは頷く。

「そうみたいです。自分の街がそのままこの世界に飛ばされてきたようで……」

「ふむ、それなら騎士団やギルドの連中が調査隊を結成するかもしれんな。とにかく、困ったことがあるなら騎士団の本部に行くといい。何か手助けをしてくれるはずだ」


最後にヒロはおじさんに感謝を述べる。

「色々と教えていただき、ありがとうございます」

「いいってことよ。お前さんが向こうの街について何か知ってたら、また教えてくれな」

親切な態度に助けられたヒロは、教えてもらった情報を頼りに騎士団の本部を目指すことにした。

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