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教えてもらった場所は、多くの人々でざわついていた。中には、兵士のような格好をした人たちで溢れており、とても何かを聞けるような状況ではなさそうだ。ふと、一人の兵士がヒロに気づき、声を掛けてきた。
「どうしました?何か用ですか?」
「ここなら何か情報を得られると聞いて来たんですが……」
「そうですか。おそらく、ここは初めてですよね。ここはリフィリア王国です。ただ、私たちも異世界から飛ばされて来たばかりで、この世界の情報はまだ何もわかっていないんです。あなたが望むような情報は、今のところ得られないかもしれません。」
「そうですか……。」肩を落とすヒロに、兵士は続けて提案した。
「そうだ。もし情報を集めたいのでしたら、探検隊か騎士団に加入してみてはどうでしょう?」
「えっ……?」
突然の勧誘にヒロは戸惑った。しかし、兵士の言葉には一理あった。現状、この異世界で一人きりで何かを成し遂げるのは到底無理だ。どこかの組織に所属することで、情報を効率よく集められるかもしれない。さらに、今のヒロにとっては「生きる術」を見つけることが最優先だった。ただ、一つの懸念があった。
「でも……自分、戦う力がないんですよね。それで騎士団なんて……。」
「それなら問題ありません。」兵士は微笑みながら言葉を続けた。「あなたは『管理局』の管轄外の異界の出身ですね?」
またしても未知の単語が飛び出した。ヒロの頭には疑問が浮かぶ。そういえば、街のおじさんが「異世界同士が繋がっている」と話していた。どうやら、異世界を管理する組織も存在しているようだ。
「でしたら、これを試してください。」兵士はヒロに丸いバッジを手渡した。「これは『レベルバッジ』といいます。装着すれば、あなたの適性に合ったジョブと能力を引き出せます。」
ヒロが恐る恐るそれをつけると、バッジに「I」と刻まれた文字が浮かび上がった。
「なるほど。あなたの適正なジョブは『魔法使い』のようですね。」
「魔法使い……。」
兵士は魔法使いのジョブについて説明をしてくれた。それによると、この世界ではレベル6に到達すると、自分専用の武器が手に入るという。また、モンスターを倒したり、街の依頼を受けたりすることで生計を立てられるらしい。まるでゲームの中の世界だ。
「では、もしよければ、騎士団に加入してみますか?」
「……わかりました。お願いします。」
ヒロは騎士団への加入を決めた。そして、与えられたジョブである魔法使いの力を少しずつ習得していくことになった。
バッジを手に入れてからは、頭の中に「魔法」の知識が次々と湧いてきた。自分がこの世界に適応するための能力が、自然と備わっているのだと実感する。
騎士団での生活は、戸惑いと発見の連続だった。訓練を重ねながら少しずつレベルを上げていくヒロ。そして、騎士団員たちとの会話を通じて、この世界の仕組みについても理解を深めていった。
やがて、ヒロは驚くべき事実を知る。この世界は、さまざまな異世界から切り取られた地域が融合してできたものだった。ヒロの出身世界からも「舟堀の街」だけでなく、「水江」や「鶴小島」といった地域が巻き込まれているらしい。もしかしたら、知り合いに会える可能性もあるのだ。
充実した日々が続く中、ある日を境に状況は一変した。
「あの事件」が起きたのだ――。




