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5-3

舟堀タワーの戦いで負った心の傷に向き合いながら、ジュンとルイーザはリハビリを続けていた。

そんな中、リフィリア王国の西の平原「イーストキャッスル平原」へと向かい、実戦形式で克服を試みる日々が続いていたが、大きな進展は見られなかった。


ある日の夕方、2人が城下町の食堂で食事をしていると、奇妙な噂が耳に入る。

相席した一人の男性が話し始めた。


「なあ、知ってるか?最近、兵士やギルドのメンバーが次々と行方不明になってるらしいぜ」


話を聞くと、どうやら王国は危険な任務のため、特定の場所に兵士たちを派遣しているらしいが、戻ってくる者がいないのだという。


「国はどこに人を送ってるんだろうね?」

「さあな。ただ、ギルドの連中も危険任務を受けてるみたいだが、内容は非公開だ。実績のある奴らしか参加できないから、情報が降りてくることもないんだよ」


その男はどこか複雑な表情を浮かべた。

高難度のクエストは、ギルド内で実績を認められた者しか引き受けられない。名誉も大きいが、それだけ命の危険も伴う。受けたい気持ちと恐怖が入り混じる複雑な心情が伝わってくる。


一方、新米の「ルイーザ探検隊」であるジュンたちにとっては縁遠い話だ。それでも、行方不明者が続出しているという話には心がざわついた。


「本当に大変な任務なんだね。行方不明の人たちが無事でいるといいけど」

「そうだな。噂によれば、この任務次第で国の命運が決まるとかなんとか。成功すれば、一気に名声が上がるだろうがな」


そう話すと、男はその場を後にした。ジュンとルイーザは残された話題について考えを巡らせた。


「さすが王国のギルドね。いろんな情報が集まるのね。行方不明者続出の任務か……」

「こういう話なら、ヒロ君が何か知ってるかもね」

「とはいえ、話してくれるかどうか……」

「ダメ元でも聞いてみたら? 何か掴めるかもしれないわ」

「ったく……ルイーザ、本当に逞しいな」


ジュンは苦笑しながらも、頼もしい仲間の言葉に少し気が楽になるのを感じていた。

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