もんぺ
農作業にはそれなりの格好をする方がいいです。
オシャレにしてみても汚れますし
適当なものを選べば暑くて後悔します。
動きやすい。
脱ぎ着しやすい。
汚れてもいい。
日光を遮って
肌を守れる。
できれば涼しい。
できるだけ涼しい。
それがベストです。
テレビのCMを見ている時
オシャレな作業着で
にこやかにハウスに入っている
素敵な女性を見たことがありますが
憧れのままで終わりました。
あの格好では
私はハウスから飛び出すでしょう。
それに、テレビの中の日光量では
あのスマイルも作れません。
でも
オシャレな作業着は憧れます。
そんな憧れを持ったまま
地元密着型のお店に来ています。
様々なタイプのズボンが吊り下げられているコーナー。
その前で腕を組んで考えています。
ずっと悩んでいたんです。
母が涼しそうに履いていた『もんぺ』
それを買うか、買わないか。
夏用の涼しいズボンは履いていましたが
汗で肌にくっついてきて
嫌だったんです。
「もんぺは涼しいよー」
ゆったりとしていて
風も通りそうで
母の言うとおり
涼しそうなんですよね。
ただ
オシャレとは程遠い。
一周回って
オシャレかもしれないけれど
でも
CMで見たあのオシャレな格好とは
真逆の路線です。
これを履いて
農作業をする所を
知り合いには見られたくないです。
でも
涼しいズボンは欲しい…。
……
………
……………
「サイズは大丈夫ですかねぇ?」
「はい。大丈夫です」
買いました。
もんぺを2枚。
紺色でベージュの草花が散りばめられているもんぺと、
魚のカレイや朝鮮人参など
田舎らしい絵柄が満載の派手なもんぺ。
「どうした〜そのズボン〜」
流石の父も
ド派手なもんぺには気付いたようです。
「ド派手でしょ?」
「お〜ド派手やな〜」
オシャレな作業着には辿り着きませんでしたが
知り合いには会わないと信じて
もんぺで作業します。
汗をかいてもサラッとしていて
とってもとっても
涼しいです。
ちょっとぶかぶかですが
まぁいいです。
涼しいので。
私の中では
涼しいことが
大前提です。




