もったいない
きゅうりの成長を助けるため
液肥というスペシャルドリンクを
きゅうりにあげているそうです。
値段は高い。
そう言っていました。
「残ってたら希釈して、庭の野菜にあげてもいいぞ〜」
そう父に言われたことがあったので
空箱コーナーに積み上げられた液肥の箱を傾け、
チョロチョロチョロ
と、わずかに出てくる液肥を桶に集めた娘。
空のペットボトルに入れ直して
ポンっと液肥の空箱の上に置いていました。
また空箱がたまったら集めよう。
そう思っていたんです。
するとある日、
液肥の入ったペットボトルがない事に気付きました。
「ない。あれ?ここに置いておいたペットボトルは?」
「ペットボトル〜?ああ、あったな〜。
飲み残しのコーヒー。捨てたぞ?」
おっと…。
娘は、液肥を集めて置いていると、
母には言っていましたが
父には言っていなかったことを思い出しました。
「ああ〜…捨てたならいいや」
文句は言えません。
ちゃんと言ってなかったのですから。
「ん〜?娘のコーヒーやったかね?
ずっとここにあったぞ〜?」
なんだかモゴモゴしている娘に
父がずっと話しかけて来ます。
いつもはすぐ何処かへ行くのに、
今日はずいぶん聞いて来ます。
仕方ない。
報・連・相を怠っていたのは娘です。
正直に言いましょう。
「あのね」
「うん」
「あれはコーヒーじゃなくて液肥。
空箱に残ってたのを集めてたのよ。父に言うの忘れてた」
数秒、娘の言葉を飲み込んで考えた父の目が、
わっと見開きます。
「液肥!あんなに残ってたのか〜??コーヒーかと思って捨てたぞ〜!勿体無い〜!油性ペンで書いとかないと〜!」
そこら辺にまいたそうです。
高い液肥が雑草の養分となったので、
悔しがっています。
ごめんね、父。
言っておけば良かった。
後日。
この話を母に伝えると、
「あははは。コーヒーだと思ったのー?飲まなくて良かったねー」
と、大笑いしていました。
確かに。
父が飲まなくて良かった。
次からは油性ペンで先に書いておこう。
勿体無いですし、誤飲も怖いですから。
いや、でも待って?
さすがに飲まないんじゃないかな…?




